Six to Ten

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「A！！ズレてる！！」

「しっかり立って！」

「A声が出てない！」









稽古中、どこまでも怒られる私








わかってる！、









体力的にも精神的にも
かなり追い込まれる









滝沢「はい、次。腹筋太鼓。

準備して〜」









きた。


滝沢歌舞伎の
1番の見せ場と言っても過言ではない

そして、体力的にも1番の山場









岩本「いくぞっ」









ひーくんの掛け声に合わせ
低い音が体を突き抜ける









「「「「うぉぉぉぉぉー！！！」」」」









もちろん私以外は全員男の子

体力も体格も私より遥かに上の
みんなが苦しそう









それでも私も負けてられない









「A腕もっとあげて！」

「ほら！声出せ！」

「太鼓がなってねえぞ！」









容赦なく飛んでくる言葉









負けんな！負けんな！



まだまだやれる！！









自分に言い聞かせる









「休憩！」









その一言で全員が床に背をつける

肩だけが動く姿が
この腹筋太鼓がどれだけ
しんどいかを物語っている









佐久間「今日やべーなっ、」









くそー！なんて言って
悔しそうな顔で笑うさっくんに水を手渡し

私は太鼓を持って場所を離れた









「よっ！、」








基本の体制になる

もうこれすらもきつい

鏡を見ながら、
より綺麗に見える角度を探す









ドドドドドドドド、、、、








バチの振り上げ方も
太鼓の叩き方も
まだまだ満足のいくところまで
到達していない









岩本「一人でやってんなよ」









声のする方を見ると
柱に寄りかかりながら
不服そうに笑うひーくん









「いや、休憩中に私がやり始めたら
みんな休憩できないじゃん(笑)」









岩本「俺が見てるよ」









そう言うと私の隣にあぐらをかき、









岩本「やってみ？」









私は最初から構えてみた









岩本「もうちょい腕あげたほうがいいかも」

岩本「もっと体起こし気味」









色々的確なアドバイスをくれた









「、んぁー！きつっ、い、」


岩本「その角度キレイだぞ！」









これがしんどいのは私の基礎体力不足








「「「お疲れ様でしたー！」」」








1日の稽古終わり

私はひーくんの所に行き、






「お願いします、」







静かに声をかけた

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