『I say meow. You say???』 (ページ10)

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🐾🐾🐾 ページ10

居酒屋から出てきたのは元カレ。
酔っ払ってるのか耳まで赤くなってる。
「久しぶり」
「あ、うん」
別れたのは些細な喧嘩で、当て付けみたいに新しい彼女が出来て、ましてやその子と婚約までした。もう関係ないし、ジェシーと楽しく暮らしてるからいいけど。

待って？もしかして私ジェシーのこと好きすぎない？？

風に当たりながら冷静に考えたらジェシーのことが好きなことを自覚してしまった。
いやでも、ジェシーは可愛いうちの飼い猫で、だけどイケメンで？だんだん頭がこんがらがってくる。
「お前、今誰かと付き合ってたりする？」
「え？」
「いや、どうかなぁって」
なんかこの目見た事あるぞ。下心ある男の目で、こいつ婚約者いるだろ。男ってそんなやつしかいないのか？一途なのはジェシーだけか？？
「よかったらさ、その、2人で」
「ご主人様？」

聞きなれた声がして振り向くと、バケットハットを目深に被って、試しに買ってあげた派手なセットアップを着た男性。そして、私のことをご主人様と呼ぶのはひとりだけ。
「ジェシー」
「え、何こいつ」
器用に耳もしっぽも隠してる姿はどう見てもモデル級のイケメンで、ただ名前じゃなくてご主人様呼びなのが恥ずかしい。
「ご主人様って、お前そーゆー趣味なの？」
シュミ？とジェシーは首を傾げてる。元カレは私のことをもっと下に見たような目で見てくるけど、そんな目でジェシーを見るのは絶対違う。それなのにジェシーにだる絡みをしようとしてくるし、それにちょっと困ってる顔をしてる。
「こいつやめとけよ。つまんない女だよ」
「あんた馬鹿……」
「お前、ご主人様のことバカにしてるだろ」
ふざけんなよ。とジェシーは元カレを上から覗き込むように言うと、私の手を握って歩き出した。

俺はずっとご主人様のこと好きなんだよ？
初めて会った時からずっと。
頑張って耳もしっぽも隠したんだからさ、今日くらいでーと？してもいいよね。