『I say meow. You say???』 (ページ7)

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『curiosity killed the cat』Maine coon ページ7

にゃあん

毎朝決まった時間になると私の枕元で甘えた声が聞こえる。わざと起きないでいると、またにゃん。と鳴いてぺちぺちと肉球が頬に触れる。
「まだ起きないの？」
甘い声と一緒に頬にむにゅうと指が刺さって、目を開けると、目の前には綺麗な金髪の美丈夫がいて、その頭の上では髪と同じような色をした三角の耳が忙しなく動いている。
「あ、起きた」
「あのさ、急に人の姿にならないでよ……」
フェザーのクリーム色のニットで両手を合わせて、その上に顎をちょこんと載せてじぃっと私を見つめる彼はうちの飼い猫のジェシー。

そう、彼は飼い猫である。

なんで人間の姿なのかはジェシーにも分からないらしく、ただ私とお話したいと願い続けていたらしい。そうしたら人間の姿になることが出来た！と大喜びしていたけど、私としては自宅に知らないイケメンがいるんだから、本気で焦った。断じておばあちゃんが教えてくれたおまじないをした訳では無い。
「だれっ！？！？」
「俺だよ！ジェシー！！」
「そんなわけあるか！うちのジェシーは可愛いふわふわのイケ猫！こんな猫耳つけたイケメンじゃない！！」
「俺だよ？ご主人様昨日俺のお腹に顔埋めてスーハースーハーしてたじゃん」
「な、なんでそれを……はっ、隠しカメラか！？」
「違うってば！ジェシーだよ！？なんでわかってくれないの？？」
しょぼんと音がつきそうなくらい耳を下げて、同じようにしっぽも項垂れてる。ニットの袖口から覗く手は猫の手で、まさか、ほんとに可愛い愛猫なの？と思って、質問してみた。
「ほんとにジェシーだって言うなら、私の家に来る前はどこにいたの？」
「おばあちゃんのおうち」
「その後は？」
「いっぱい猫がいるとこ。あ！つよしくんがいたとこ！」
「何が好きなの？」
「おしゃべりでしょ？ちゅーると……ご主人様！」
「ジェシー、ちょーだいは？」
「にゃあん」
猫の手を合わせて上下に動かすのは、間違いなく私がジェシーに教えたおねだり。それに合わせて揺れるしっぽや耳を見て、ようやくこのイケメンがうちのイケ猫、ジェシーだと認識できた。