『I say meow. You say???』 (ページ6)

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低くて男らしい声が聞こえて目を開けると、目の前には白いニットを着て、茶髪をふわふわと遊ばせたイケメンが私を見下ろしている。

ただ、その頭には焦げ茶色の三角の耳がピコピコと動いている。
「だれ、」
「だれって、ホクト以外居ないでしょ」
イケメンは当たり前って言いながらも少しだけ耳が下を向いて、切なそうな表情を見せる。
「ホクト、なの？」
名前を呼べば少しだけ耳が前を向いて、ゆっくり瞬きをした。そして小さな声でにぃ。と言うから、まだ子猫の頃に一度だけ撫でることが出来た時に同じ様に瞬きをして鳴いたことを思い出した。

これは夢だ。酔っ払って、そう見えてるだけ。
自分に言い聞かせながらも、眠気が襲ってくる。

だめ、寝ちゃう前にちゃんと聞きたい。

「ホクトはうちに来て幸せ？」
そう言うと、ホクトはまた耳をピコピコ動かして目を細める。
「本当は家族と一緒にいたかったんじゃない？勝手に私が連れてきちゃったから、」
私がまだ喋ろうとしてるのにホクトは私の右手を陶器のように白い肌に擦り当てて、目を細める。
「俺はあなたの所で暮らせて幸せだよ。あなたが家に来た時、俺以外の兄弟みんな新しい家が決まってた。俺だけ、人見知りだしビビりだから、家族は見つからないだろうって言われてた。でも、あなたの手が暖かくて、一緒にいたいって、俺が思ったの」
だから、幸せだよ。
イケメンの幸せそうな顔ってこんなにも破壊力があるのかって言うくらい、ホクトは幸せそうに笑うから、思わず左手で頭を撫でる。
「教えてくれてありがとう。私もホクトと入れて幸せだから、いっぱい甘えて……いいから」
そのまま意識が落ちていく中で、ホクトがまたにゃあ。とかわいらしく鳴く声だけ聞こえた。

次の日、ベッドの上で目が覚めて、お腹が暖かいなと思ったら、ホクトが私にぴったりくっつくようにしてアンモニャイトになっていた。
昨日の夢なのかなと思いながらもそっとホクトを撫でると寝ぼけた顔で私の手に擦り寄るはゴロゴロ喉を鳴らすわで、あんな警戒心強かったのにこんなに変わるの？って言いたくなった。

俺は甘えるのは得意じゃないけど、あなたが甘えていいよって言ったから、今までの分全力で甘えるからね。