『I say meow. You say???』 (ページ26)

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🐾🐾🐾 ページ26

髪をといでくれない？

櫛を俺に手渡して、ゆっくり君の髪をとぐ。
「あの子、大丈夫かな」
「奉公先の人は優しそうだったから、大丈夫だよ」
「それもそっか。優吾に似て、あの子も優しい子だもんね」
「優しいのはAに似てるからだろ？」

私たちに似てるからすごく優しい子よ。

自信を持ってそう言うからそうだね。って俺は泣きたい気持ちを噛み殺した。
その日の夜、ひとつの布団に2人で抱きしめあって眠った。

翌日、村の近くにクマが出たと聞いて、猟銃と罠を持って森の奥に向かった。小屋を出る時、君は気をつけて。とだけ言ってくれた。

蝉の声がうるさく聞こえる山の中をクマの痕跡を頼りに進んでいくと、遠くで唸り声が聞こえた。振り返って、声が聞こえる方向を見ると蝉の声が聞こえないくらいの静寂に囚われた。
「A……」

クマの声が聞こえたのは俺の小屋がある方角で、大急ぎで小屋の方へ走っていくと、クマと鉢合わせをした。その口には何かの肉片が咥えられていて、クマが立ち上がって威嚇をして俺に向かってきた時、容赦なく眉間に一発二発と弾丸を浴びせた。

クマと遭遇して30分程経っただろう。反撃にあって、肺をやられて口から血が溢れる。右足を引き摺りながら、小屋まで行くと、中は悲惨なものだった。

部屋中に血飛沫や爪痕があって、部屋の隅に君の後ろ姿を見つけた。
そばに寄ってみると、もう虫の息で、左肩から先が無くなっていて、身体中傷だらけで、もう助からない。俺も助からない。
「ゆ、うご」
「ごほっ」
名前を呼びたいのに口からは血が溢れて、ほとんど感覚のない右手で、Aの右手を握る。

生まれ変わっても、
またあなたに、会いたい

二度目の人生
人としての人生はこうして幕を閉じた