『I say meow. You say???』 (ページ22)

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状況を確認すると、リアコをしてる俳優森本くんにそっくりなイケメンが、私の足を跨ぐようにして目の前にいる。

でも森本くんと違うのは頭の上からキジトラ柄の耳が見えてるのと、ゆらゆら長い被毛に覆われたしっぽが私の脚に当たっている。
要は人間の見た目をした何かで、私の膝の上にいたはずのシンタローがこのイケメンに変わってると思われる。
え？シンタローは猫だよね？？なんで人間になってるの？？？

「にゃあおん」

目の前のイケメンの口から猫の鳴き声が聞こえて、ビビっていると、控えめに私の太ももに猫の手を置いてきた。

「シンタロー？」

私がそう言うと、イケメンは瞬きをしてぱぁっと花が咲くような笑顔で大きく頷く。

まじか。え、おまじないの効果ってこれなの？人間、しかも好みのイケメンになることだったの？

頭の中でおまじないを教えてくれた同僚に問いかけるけど、答えは返ってこない。それよりも、人間の姿になったシンタローはやっぱりガタイが良くて、流石に脚が重さでおかしくなりそう。
シンタロー、降りてくれない？と言えばいそいそと私の左側に移動してくれた。そのままシンタローと向き合うように座り直して改めてその顔を見るとやっぱり、俳優の森本くんにそっくり。

「なんで人間の姿に……」
「ご主人が、いっぱい話しかけてくれたからだよ？」

おまじないしたよね？とシンタローは首を傾げてくるから、確かにおまじないしたけど、と返す。

「俺もご主人とお話したいし、テレビ？の人じゃなくて、俺の事見てよ！」

ぷくぅと頬を膨らませる姿があまりに可愛すぎて思わず顔を両手で覆うと、シンタローはご主人？何かあったの？？って手を剥がして覗き込もうとする。

まじで、森本くんにリアコじゃなくて、これじゃあうちの猫にリアコしそう……

ご主人がいっつもテレビに映る人にかっこいい、かわいい、付き合いたいとか言うの聞くの嫌だった。
だって、俺にとってご主人は1人しか居ないんだもん。
いっぱい大好き！って言ったら、ご主人は喜んでくれるのかな？？？