『I say meow. You say???』 (ページ15)

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『猫に九生』Black cat ページ15

俺には誰にも言えない秘密がある。

まだガキだった頃、縄張りにしていた家にキジトラの猫がいて、ユーゴって名前なんだけど、そいつが教えてくれた話。

「猫の魂は9つあるって話聞いたことある？」
「なにそれ」
「人間が使うことわざ。俺たちは9回まで生まれ変わることができるって話」
「んなわけねーべ。だったら、俺の母ちゃんもアニキも弟も生まれ変わってる」
「んー。難しいんだけど、生まれ変わる先が必ずしも猫じゃないんだって」
「は？ユーゴは経験したことあんの？」
「2回、生まれ変わったことがある。覚えてるのは最初が猫、2回目が人間、今が猫ってことだけ」

あと、大切な人のことも覚えてる。

よぼよぼとまではいかないけど、人間で言えば100歳近いユーゴは日向ぼっこをしながらそう言ってた。

それから2日後、ユーゴは日向ぼっこしながら死んだって、仲間内の野良猫から聞いた。

あの時、ユーゴには生まれ変わりの話をされたけど、俺も朧気に記憶がある。

猫の人生を始める前、人間だった。

食べるものもなくて、親父は戦場に駆り出されて、兄貴2人も同じように戦地へ言った。母ちゃんは食べ物がほとんどないのに、俺とまだ赤ん坊だった弟の面倒を見ていた。
そんな時に俺が流行病にかかって、そのまま死んだ。母ちゃんは泣いてたのか分からないけど、生まれ変われたら人間じゃないものになって。と言われた。