『I say meow. You say???』 (ページ12)

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🐾 ページ12

「それじゃあ、タイガの事よろしくね」
「うん」
「くれぐれも、くれぐれも！怪我とかないようにな！」
「分かってるってば！！」

まだ何か言いたげな両親とタイガの両親を玄関から追い出して、ドアを閉める。
明日から大阪でタイガの両親はコンテストがあって、私の両親は付き添いで行く。広い家に私とわがままっ子のタイガだけで、なんか気まずい。
「にゃおん」
振り向けば、玄関マットの上でお行儀よく座ったタイガが私のことを見上げてる。
「何甘えた声出してんの」
「うるにゃん？」
「かわいくな」
「ちっ」
「は？舌打ち！？」
うるせぇな。とお行儀よくお座りしていたタイガじゃなくて、白いカーディガンに青いシャツ、首にはスウェードの首輪。ピンク系の髪をした青年。
その頭の上では長めの毛を持つ白い耳が真っ直ぐ私の方を向いてる。

うちの親は知らないけど、タイガは人間になることが出来るとんでもない猫だった。

事の発端は職場の同期が一緒に暮らしてる猫が懐かないって話からだった。
私が働いてる広告代理店の部署には何故か猫好きで一緒に暮らしてる人が5人いて、それぞれ猫自慢をしてる。まあ、私が言ってることはほとんど両親とタイガがじゃれてる所なんだけど、なかなか家の猫が嫌いなんて言えないし、実際嫌いって訳でもない。