Snow Drop 2 (ページ8)

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No.56 ページ8

私は父が不倫した女との間にできた子供だった。

でも不倫なんて長く続くわけがなくて
まだ生後4ヶ月だった私を実の母は私を父に預けたままどこかに消えた

父親は私の存在を誰にも教えてなかったし、バレてもないはずだったからこのまま養子にでも出して何事も無かったかのように終わらせたかった。

でもその頃から雪村グループの社長として多忙な毎日
それに記者に追っかけ回されてたから私を養子になんて出した暁には雪村グループへのとてつもない損益を生むことは目に見えてわかってた

だから私を自分の娘として育てる以外の道がなかった
だから離婚承知で母に私の存在を話したら、
｢生まれてきた子にはなんの罪もないんだから育てる以外の道なんて他にあるわけないでしょ｣

そう言って迎えてくれて、正式に雪村家の娘として過ごすことになった

そこには兄と姉がいて、二人とも物心がつく前だったのもあるのかほんとに仲良くしてくれてたの

でも母は私が12歳の時にこの世を去った

生まれつき体の弱かった私を必死に看病してくれて、入院すれば毎日病院に来てくれて、最高の母親だった。

母が亡くなった原因も私のせい。

入院してた私にお見舞いに来る途中信号無視した車が母が乗ってた車に後ろから突っ込んできた。後部座席に座ってた母は即死、もう手の施しようがなかった

その日から、全てが変わった

今まで優しくしてくれてた人も、親切にしてくれてた人もみんな私を軽蔑しはじめた。

まぁそりゃそうだよね、不倫で出来た誰も望んでない子供のせいで母は死んだ。

それまではちょくちょく顔を見せてた父さんは全く来なくなって、姉さんと兄さんは来てくれようとしたんだけど、母のお葬式が終わってすぐに留学させられた。

結局退院の日に来たのは迎えの車と運転手。

あの運転手の嫌そうな顔なんて今でも忘れない

家に帰ってからもお手伝いさん達からは無視、
私の部屋を掃除するのは罰ゲーム。この家の中で、いや世界中で1番汚らわしいもの見たく扱われるようになったの

そんな生活が数年続いたある日、姉さんと兄さんが留学先から帰ってきた。

ほんとに嬉しかった

周りはどんだけ変わっても、兄さんや姉さんは今までと変わらずに接してくれた

毎日のようにお土産話をしてくれて、勉強を教えてくれて、一緒に遊んで
ほんとに幸せな時間だった、
永遠にこの時間が続いて欲しかった

でも、やっぱり神様は意地悪だった