お荷物と呼ばれた姫は最強剣士と出会いました。

episode3 ページ4

『っ、どうしよう！』


どんどん波が強くなる、一方で丸腰の私

そして、ギシギシと言っているボート







島がどんどん遠ざかっていく







でも不思議と帰りたいとは思わない。、、

いや、不思議でもないか。








『はぁ、私、こんな海のど真ん中で し ぬんだ。』



グゥっと何日も食べていないお腹さえももう愛おしい。








ゆっくり目を瞑り、命の終わりを待つ。












、











、













、








ポツ







何時間たったのか。


頬に打ち付けられた雨水で目を覚ます






体をゆっくり起こすと同時にどんどん雨足が強くなってきた




そして同時に波まで高くなる








『わっ……！』



そんな波にこのボートが耐えられるわけがなく、


ミシッと音がしたところから、水が入ってきた。








『うわ！どうしよう！』



何とかしてその水漏れを止めようとワンピースの膝部分を破ってグッと抑える。







『っ、ダメっ！全然塞げない！』




みるみると水が入ってくるボート






『って、なんで私水を止めようとしてるんだろう』




もう諦めたじゃん。


もう、無理だって。


なのになんで…！








『っ、、』




手を少し緩めると、勢いよく水が入ってくる


そして、他の部分もどんどん穴が空いていき






『きゃああ！！！』





私は海に投げ出された。







『っ、ぷはっ！』



ひっくり返ったボートに体を預けてなんとか呼吸をする








海なんて初めてで、飲み込むとすごく塩辛い






『っ、だれか……』




その言葉は絶対に届かないってわかっているのに






『っ……！！だれか！！！』




無意識に出てしまう。、




『だれか！！！！！助けて！！！！！！』










辺りはザーッと雨音が聞こえ、周りはいつのまにか真っ暗


誰もいる訳なんてないのに、私は叫ぶ





『だれか！！！助けて！！』


『っ、ぷはっ、ごほっ……だれか！！！』











っ、もうダメ！


波に飲み込まれて、ガクンっと海の中へ


必死に手を伸ばしても、海面にとどかない。







『っ、だれ……か……』














閉じかけようとしていた目の前に


白い泡と同時に誰かが勢いよく入ってくる



そして、何かを叫んでいる。














なに？


きこえない……！












……をのばせ……！













なに？










だれなの？



















｢手を伸ばせ！！！｣

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