03.Soft(1) ページ4
アジトに帰ると、何やら見慣れない影が揃っていた。
ボブっぽい髪型のふわふわした人と、前髪が片目にかかった薄緑色の人。
どうやらどこかへ出かけていたらしく、腰には刀を差していた。
これでも割とアジト内事情は把握してきていたつもりではあったが、見慣れぬ姿に首をかしげてしまった。
それを見た隣の鶴丸さんが、笑って教えてくれる。
「…あれ？」
「あぁ、もう帰ってきてたのか、鶯に知らせないとな」
「あの…鶴丸さん、あちらの方々は…」
「え？あぁそうか、君は彼らを見たことがなかったな。…あいつらは、うちでもトップクラスの実力者だ」
そう言い自慢げににやりとした鶴丸さんは、彼らを取り巻く人混みの隙間に顔を突っ込み、彼らに話しかけた。
「おーい！君ら、もう帰ってきてたのか？」
「あぁ、鶴丸だね。いやいや、今回は仕込みついでに探索してきただけだから、そんな大袈裟に喜んでもらえはしないよ」
「おいおいこのご時世にそりゃないだろ…せめてもう少し楽しもうぜ？」
「鶴丸…他に選択肢はなかったのか…？」
親しげに離す御三方に、私はどことなく「手練」という言葉が頭をよぎった。
お二人共、こんなに柔らかそうな物腰なのに隙が無いというか、寝首を掻こうものなら一瞬で捻り上げられてしまいそうな、そんな感覚だ。
少しだけひやりとした感覚を味わってしまった私のことなど露知らず、鶴丸さんは私の方を向いて手招きをしてくれた。
「紹介しよう。こっちが髭切で、こっちが膝丸だ」
「よ、よろしくお願いします」
「…おや？見たことの無い顔だねぇ」
「当然だ兄者、俺達が遠征に言ってる最中に来た客人なのだからな」
「そっかー、それなら納得だね。はじめまして、僕は髭切だよ。ここでは前線を任されているんだけどね、ここ最近はちょっとお仕事があってアジトにいなかったんだよ。挨拶が遅れてごめんね？」
「いえっそんなお気になさらず…」
「ふふっ、可愛らしいお客様だね。えーっと、こっちは弟の…んー、何だったかなぁ」
「ひ ざ ま る だ兄者！…済まない、兄者は少々忘れっぽくてな。先の紹介にもあった通り、俺は膝丸だ。よろしく頼む」
「Aです、よろしくお願いします」
…なんだろう、絶対凄い人たちなんだろうけど、なんか拍子抜けするなぁ…。
ふわふわとした御兄弟。それが彼等の第一印象だった。
のだが…
04.Soft(2)→←02.Carelessness(2)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白うさ(プロフ) - 四ツ谷さん» Dear 四ツ谷様 あ、ありがとうございますうぅ…！！！！(半べそ)まさか私めにそんなお言葉がかかるなど思っても見ませんでした…！！長らく席を開けていたことをどうかお許しくださいませ＿|＼○＿ 源氏兄弟もこれから頑張っていただきますので、ご期待くださいませ♪ (2018年3月7日 12時) (
レス) id: d3e312d938 (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷 - あと、すごく個人的なんですけど髭切、膝丸すっっっごく大好きです!!!これからの展開がとても楽しみです、白うさぎさんの作品大好きです！そして白うさぎさんも好きでs((殴 (2018年2月5日 23時) (レス) id: bf4a486fcd (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷 - はじめまして!!!四ツ谷です！続編おめでとうございます!!!白うさぎさんの作品更新されればすぐに見てますこれからも頑張ってください!! (2018年2月5日 19時) (レス) id: bf4a486fcd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白うさ | 作成日時：2017年9月9日 10時
