【鬼滅の刃】白ノ記憶 (ページ10)

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捌ノ記憶ページ10

「いやだっ！

やめてっ！」

何だ？

急いで声の聞こえた方向へと足を進める。

「・・・いやぁぁぁっ！！！！」

「うるさい！黙r「何してるんだ」誰だっ！？」

「何をしていると聞いているんだ」

「こいつが騒ぐから罰を与えてるんだよ！」

「殴ることが罰か？」

「そうに決まっているだろう！」

「ちがう！

わたし、なにもしてない！」

「嘘をつくな！！」

男が、手を振りかざした。

「嘘をついているのはお前だろう。

お前からは嘘の“音”しかしない」

「たす、けて...」

怯えた目。

此の目を、何処かで見たことがある。

《───！！》

「大丈夫だよあなたは私が守るから(誰にも傷つけさせないから)」

「こいつ...！！！！」

一般人に手を出したくは無かったが仕方がない。

「何してんだァ」

此の声、は。

「実弥？」

「何してんだって聞こえなかったのかァ？

お前は其のガキ連れてさっさと行けェ」

「っ...」

此の優しい音、何処かで聴いたことがある。

遠い昔、忘れている記憶の中の何処かで...！

でも今は

「悪い、頼んだ」

「あァ」

此の子を連れて一旦此の場から離れよう。

でも何処へ連れていけば良い？

・・・一旦屋敷に連れていこう。

でも

でも

あの声は、何処で聴いた？

今此の機会を逃すと二度と思い出せない気がする。

何処だ？

何処であの優しい音を聴いた？

チリン。

髪飾りが小さく音を立てる。

ある１つの花言葉が唐突に頭をよぎった。

来路花の花言葉

其れは

家族愛

そして瑠璃の宝石言葉は

真実

健康

家族愛、真実、健康

パチンと頭の中のバラバラだった破片が全て埋まったような音がした。

そして私は、全てを思い出した。