玖ノ記憶 ページ11
「おねえ、さん?」
意識が引き戻される。
記憶を整理するのは一旦後。
今は屋敷に行って此の子の安全を確保しなくちゃ。
いや、私の屋敷は私以外人がいないし警備が甘い。
なら...
「悪いしのぶ、此の子預かってもらえるか?
事情は後で話す。
あと
記憶も全部戻った。」
「・・・分かりました。
くれぐれも怪我はしないでくださいね?」
「あぁ」
急いで蝶屋敷をあとにする。
向かう先は
「
実弥...
いや。
兄さんの、ところへ。
「A?」
私が戻ったとき男は既に拘束済だった。
「兄さん、良かった...」
「お前、A、今...」
「・・・忘れてて、ごめん。
思い出せなくて、ごめん。
冷たい態度をとってごめん。
覚えててくれてありがとう。
いつも私を護ってくれてありがとう。
護れなくてごめんね...」
「──よ」
「?」
「何で、何でお前が謝るんだよ。
謝んなきゃいけねぇのは俺の方だろォ。
知らないうちに売られたお前を見つけることも出来ずに記憶失うほど怖い思いさせて男嫌いにさせて幸せにさせてやることも...」
「そんなこと言わないでよ。
私は兄さん達といるだけで幸せだった。
まぁ父さんは怖かったけど母さんは優しかった。
其れに私が記憶を失った理由は兄さん達のせいじゃなくて自分で忘れたいって思ったから兄ちゃんは何も悪くないんだよ!
私は家族が幸せなら其れで良いんだ!
・・・兄さん、どうしたの?」
何で、そんな苦しそうな顔をするの?
「何か、あったの?」
「もう、いねぇ。
お袋も寿美もことも貞子も茂も全員、死んじまったァ...」
声の出し方が、分からなくなった。
どういう、こと?
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奈雪(プロフ) - 奏音☆色音さん» 感動系を書きたかったから良かった...コメントありがとう。 (2020年7月24日 21時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
奏音☆色音(プロフ) - .......号泣不可避 (2020年7月24日 18時) (レス) id: 9c3c6c7419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈雪 | 作成日時:2020年3月15日 22時