Dr.ロレイスの提言 (ページ43)

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Dr.ロレイスの提言４１ページ43

11月10日 20:28
管理者:Dr.ロレイス
サイトC:フロアF/S-324.1

襲撃が激化している気がする。ニュースでは速報が頻繁に見られるし、昨日なんて深夜に揺れを感じたんだ。ここは研究棟なのに酷く揺れて、流石にあれは怖かった。部屋で育てている沈丁花の鉢が…植物用ライトを付けた机の上で育てていたんだ。だが揺れのせいで落ちて鉢が割れてしまって。植え替えれば大丈夫だと部下が教えてくれたが、枝が折れてしまったのは残念だ。しかし海賊達はどうやってこんな国の奥深く、しかもあまり公にされていない財団施設にまで攻めることができたのだろう？ずっと前の時も不思議だったんだ。サンシャが行方不明になる前の、あの時も。

サンシャはキュベレーについてしか言っていなかった。海賊について触れていないし、仲間や協力者だともメッセージに書いてなかった。ならこの国にとってはやはり敵なのだろう。

そうだ。
シジロがサンシャのIDを使ってサーバーにアクセスした。深夜の襲撃時、彼はサイトA職員として深夜窓口の担当をしていた。以前の襲撃時にレーダーや観測拠点がやられて被害を被っただろう？どうやらあの時財団のサーバーにも僅かな…不具合と言えばいいのかな。システムウロボロスの守備範囲や処理能力に、僅かな不具合が起こったらしい。と言っても堅牢なウロボロスだ。不具合を修正する合間に臨時で働くセキュリティ程度、何十と持っているだろう。

だからこそ、とシジロは言う。
彼の考えた作戦については前に教えてもらったが…私からすると不思議なものだ。しかしこの分野に一番強いのは彼。その彼が自信を持ってできると断言しているのだから、私は正直ワクワクして作戦決行の時を待っていた。

〈人工頭脳に自我はあるのか？〉

恐らく、ウロボロスは自我を得ている。小難しい話は割愛するが、機械と生物って言うのはそう離れた存在ではないんだよ。異なる形や仕組み、システムで同じことを行っている。

彼の作戦は弾かれないはずだ。
ずっと前に言っただろう？〈物理的襲撃の影響を受けても、ハッキングの標的にされ続けても、一度も破られたことがない。さらに学び続け、相手へと攻撃を返してしまう。〉と。

学ぶんだ。あのシステムはサーバーに保存された情報から学ぶ。様々な人のファイルを守り、扱い、見ているとしたら？全てを学び、積み重ねているとしたら？

人格融合を引き起こせるかもしれない。