Dr.ロレイスの提言 (ページ35)

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Dr.ロレイスの提言３３ページ35

10月16日 14:18
管理者:Dr.ロレイス
サイトC:フロアF/S-324.12

協力者を見つけた。
部下達のお陰だ。彼ら彼女らのお陰で解析に詳しい研究員と話すことができた。しかもその人は信用できる。私と同じ思いを抱き、記憶に関しても同じだ。掠れがある。彼も日記を付けていて、そのお陰で掠れに気が付いたのだと言う。彼の研究員仲間にも数人同じ症状を示している者がいた。

私の部下にも三人いた。
三人にはすぐ話をして、財団サーバーから個人データの隔離をすることと、日記を付けるように勧めておいた。隔離…は難しいな。この国は既に財団サーバーを根底に置いている。郊外の農業も、大都市の交通も、その路地裏の監視カメラも全て繋がってる。

すまない。
順を追って記さないとな。

まず、その協力者の名はシジロ・パヒューム。サイトAに配属されているDr.で、サーバーにもアクセスできる。私よりも遥かにな。彼はサンシャの兄だ。二歳上だと聞いた。シジロもサンシャを探していて、部下と鉢合い警戒しつつ探りあって、なんだ仲間かと和解したらしい。ありがたい。ありがたいことだ。しかし彼の兄ならば昔に何度も会っているはずなのに、シジロも私もまるで初対面かのような気持ちだった。つまり、ここも掠れているわけだ。くそ、あとどれだけの記憶を失っている？

まぁ、まぁいい。会えたんだ。それで、同じ症状を背負っているシジロと彼の部下達、そして私と私の部下三人で合同研究をすることにした。表向き合同研究としておいて、記憶についての調査研究を進めようと思う。シジロはサイトAに所属する研究員で解析が専門だ。シジロはこれまでも何度か他のサイトやDr.と合同研究をした経験があり、そして私達も丁度ダフネ(月桂樹ではなく、赤子の方。レディダフネと呼んでる。月桂樹はオリジナルダフネ)の持つ翼のコード解析をしたかった。

TD-1への追加機能と…提供者からの願いを叶えるためにクローンコードを探さねばならない。これはまた後々として、まずは…少々良心が咎めるが、偽装の下準備だ。何か探ってると勘付かれないために慎重に、慎重に進めよう。

サンシャはシジロにも日記を付けるようにと言っていたようだ。私に言ったように、彼は自分の兄にも言っていた。もしかしてサンシャは…この掠れについて何か知っていたのか？

彼の知り合いにも声をかけてみるべきか…？