Dr.ロレイスの提言３２ ページ34
10月11日 12:41
管理者:Dr.ロレイス
サイトC:フロアF/S-324.48
さっき部下に呼び出された。休日を切り上げて実験室に向かって、何事か？と訊ねた。
何があったと思う？
部下の一人がロボットを、サンシャの開発したロボットの一部を拾って帰ってきたんだ。部下はエリアGに追加の月桂樹サンプルを取りに行っていて、その帰りの襲撃跡近くで見つけたと言う。まだ片付けが終わってないエリアだが、貴重品だろうロボットのコアが落ちてたとなれば拾いたくもなる。で、彼は私がサンシャを探している事を覚えていてくれたようで、もしこのロボットがキュベレーの仲間だとしたら、キュベレーが彼を誘拐したとしたら、何かデータや記録を持っているんじゃないか？と思ったらしい。素晴らしい。とても、とてもありがたい。
だが問題がある。
私達はロボットのコア、つまり人間で言うところの脳や心臓にあたるブラックボックスを解析する、そんな高度な技術など持ち合わせておらず、多少知ってはいるが知識止まりの専門外だ。素人とは言わないが玄人ではない。私達は生物部門の研究員で、ブラックボックス解析などは機械部門、それこそサンシャの得意とする範囲になる。それに…部下達には話していないが、もしこれが記憶の掠れのきっかけになってしまったらどうする？誰かの、何かの、見えないそれの気に触り、記憶の掠れを引き起こしてしまったら？
部下達を巻き添えにすることは避けたい。彼らの知識、記憶、思い出、それらはとても貴重だ。誰かに何かに掠れて、忘れたことにも気が付けないなど…許されないだろう。勿論、心配が杞憂で終わる可能性もある。
部下達は記憶に異変を感じていないのか？私だけか？気付いてないならどうにもできないが、同じように悩んでいる人はいないのか？
あぁ、ええと…とにかく…ブラックボックスから発信は行われていない。つまりデータが財団サーバーに送られ、レーダーに感知される危険性はない。だが念の為に防護室で作業を行う。電波、電磁波、それらを遮断する部屋だ。レントゲンとかのな。遺伝子破壊、ノックアウト、放射線とかで使うからフロア内に設置されている。やれるだけやってみよう。何か得られるかもしれない。
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