Dr.ロレイスの提言１７ ページ19
7月7日 11:58
管理者：Dr.ロレイス
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レーダー、探知機、それらの観測拠点。私達の上役。この日記に施したセキュリティと独り言。そしてずっと昔から感じる、この…何かを忘れている感覚。襲撃してくる敵と、内部の敵。それらについて考えていた。
レーダーは様々な方向に向けられている。作業区域の罪人達を管理し、逃げ出さないように見張っている。都市にある物は交通状況を管理し、主要施設を守り、警察と連携して治安を維持している。郊外とされる都市では専らドローンと接続されて農作業に利用される。熊や狼と言った危険な獣が来ないように見張っているらしい。研究棟ではセキュリティやマイクロチップ、データ管理、そして防衛に使われる。この国を支える生命線であり、大切なインフラと呼べるだろう。
これを壊したのがあの敵達だ。本人達いわく海賊らしいが、この辺りに海や川を持つ国なんてあっただろうか…？無法者は無法者なので何と名乗ろうと変わることはないが、海賊と言うよりも侵略者と名乗った方がしっくりくる。いや、そんなことはいい。とにかく耳が長くてシルクハットを被った海賊が、別の研究棟に設置されているレーダー他周辺機器を壊してしまった。最悪だな。損害額が恐ろしいよ。
海賊の他に、この国にはひっそりと活動している者達がいる。彼らについてはよく知らないが、人助けをしてみたり、時に襲撃に乗じて施設を漁ったり、噂ではロボットを持ち去ったりもしているらしい。何がしたいのかはいまだにはっきりしていないが、警察は彼らを危険な集団として指定している。黒い旗を持った、国に敵対的な、そして研究棟を含める組織、私達研究員が所属する〈財団〉に敵意ある者達だと。サンシャは彼らに捕まったのかもしれない。彼らは…原始的な、言葉の綾だが私達に比べて原始的な生活をしているとも聞く。いつの時代から探り出してきたのか知らないが、紙を使っているんだからな。あれは保存に強いが…その問題はとっくの昔に解決している。データは壊れたりしない。故意に、意図的に操作しない限り、紙と同じように永遠に残る。
それでも紙を使う意味があるのか？
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