Dr.ロレイスの提言１６ ページ18
7月6日 10:16
管理者：Dr.ロレイス
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三年？四年？日記を投げ捨ててそんなにも経ったのか。偶然にも今日は、私が日記を付け始めた日。ただの偶然だが、何かしらの意味も感じる。だからまた書いていこうと思う。
まず…サンシャは結局帰ってこなかった。あの後私は彼の両親に連絡を取り、レーダーや、その他沢山の捜索機器があるから大丈夫だと話した。きっとすぐに見つかると。だが彼のマイクロチップから発せられる信号は、どの機器にも引っ掛からず、捜索隊もロボット達も彼を見つけることはできなかった。今でもロボット達は彼を捜索しているが、エリアNとかがある外包地での、本来の仕事である敵襲警戒ついでにまで優先度が下げられてしまった。
彼が行方不明になった数日後、私は上に問うた。何故信号が拾えないのか？と。上から返ってきた答えはとても簡潔で、理解ができてしまうものだった。〈襲撃により各地の機器や観測拠点が被害を受けて不安定となっているので、マイクロチップから発せられる微かな信号は拾えない〉とのことだ。大きく揺れたあの時、私が思っていた以上の戦闘があったらしく、セキュリティにより詳細は開示できないが酷い被害が出たらしい。最優先はレーダーや機器、観測拠点を直すことであり、それが終わらないとサンシャの捜索自体が難しい。とは言え、あれらは精密で繊細で、しかも相当に複雑な機器達だろう。部品も特注が多く、そもそもあれを触れる研究員自体そういない。中心となる観測拠点が衝撃を受けたことにより、各地にある拠点に誤信号が飛び、そのせいでショートしたりバグに襲われたり…と、まぁそんな感じだと思われる。これらを直すのにどれだけの期間が必要だろうか。
三年と少し経った今ですら、まだチラホラと不具合が残っているのに。
彼の研究フロアはしばらくの間閉鎖されていて、最近助手が彼の研究を引き継いだ。特化型は完成の一歩手前までできていたから、残りは助手が頑張ってくれれば形になるだろう。助手の名はなんと言ったか…忘れてしまったが…感じのいい人だったよ。責任感が強くて、サンシャの帰りをずっと待ちながらも、彼の研究を守ってくれる人だった。
あぁまただ。
最近どこからともなくドアを叩く音が聞こえる。検査を受けて処方もされたんだが、これだけ改善されない。しかし不思議と…不愉快ではない。懐かしさすら感じる。
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