Dr.ロレイスの提言１１ ページ12
8月10日 22:05
管理者:Dr.ロレイス
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研究が僅かに進んだ。僅かにだが…変異が起こった。何百とあるサンプルの内、三つだけ変異した。これでようやく次の段階に進められる。まぁ三つだけでは後で困るから、同時並行で変異種を作るけれどもね。そして肝心の、変化したサンプルは沈丁花だ。沈丁花から採取した細胞が変化し、僅かにだが、本当に僅かにだが動物細胞に近付いた。細胞壁が薄くなり、一部は膜のみになっている。未発達だが植物細胞には見られない組織もある。これを促進させれば、また一歩進むだろう。
私達の先祖が何だったのか。
これは私の勝手なこだわりだが、私達は自らが思っているよりも、植物に近いのかもしれない。水、養分、酸素、光、それらを必要とする。植物は触れられるとストレスを感じ、場に適した成長をする。私達もそうだろう。時代に適応しようと生きて、適しすぎたあまり…いや、これは関係ないな。とにかく、命の始まりは獣も草も同じだ。ただ一つの光。主たる種から光り輝く円環に流され、派生し、広がり、変化し、今に繋がっている。私は特に熱心な信者ではないのだが、この思想には理解を示す。私達は生きる時代こそ違えど、本質はそこまで大差ない。時代を繰り返しつつ、蝸牛の歩みで変化している。これはアロコス信仰だ。信者はアロコスと言う…全てを取り巻く円を信仰してる。偶然すらも円の内に含み、在るべき形で光を何とかって。そう危険なものではない。何事も個人による。熱心で謙遜な信者から、熱狂的で過激な信者までいる。何事も様々。それすらもアロコスは分かってるらしい。
繰り返すが私は信者ではない。ただ理解してるってだけだ。むしろ私はこれに少しの違和感を持っている。これ自体にではなく…どこかで似たことを体験したのか、見聞きしたのか。分からないけれど、何か引っかかるんだ。
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