常勝神話３【ONE PIECE】 (ページ22)

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第三話…最高難易度の能力種ページ22

報道によるざわめきは、まるで水面に落ちた雫が波紋を生み、幾重にも重なった輪が外へと向かう様に似ていた。伝染する不信感と危機感、心の底を逆撫でするような不安などの感情が、革命軍の義賊的な立ち位置を危ういものへと追いやったのだ。革命軍の立ち入りはご遠慮…と距離を取る島も出始めており、マカラや海軍へと密告もとい情報提供がなされている。これをもってして手放した事務所の代わりとした情報局は、時間を味方につけ始めていた。

まぁ細部のあれこれはともかくとして。

察しが良いのだろう、ヒュンッとラグが剣を振る。切っ先が翼の隅を弾き、パラリと羽根の欠片が落ちた。ハインはポンッとウロボロス姿に戻り、尾先の硬質化した稜鱗で剣を弾く。グッと広がった瞳孔は雲間の弱々しい星明りを拾い、雨雲に陰りつつある月夜の下でも雨粒の一つ一つを視認した。対するラグは距離を取りつつランタンの灯火を最大に、腰を落として剣を構える。

「…呼びつけられたんだったか？まぁならこっち都合ばかりで悪いが、あんたを帰すわけにはいかない。あんた、サボさんの情報をどれだけ掴んでいる？」
「サボさんのイントネーションや言葉選びは、ゴアで使用されている上流階級口語〈コンカニ〉とほぼ一致します。」
「…イントネーションで生まれが分かるのか。」
「判断要素の一つに過ぎません。貴方はドラム出身ですか？訛りの薄さからして、ご両親のどちらかは外から来ていたりして。しかし…ドラムについてサボさんと話し合ったはずなのですが、やはり支援だけでは不足でしたか。」
「当たり前だろう。あの環境下で生きる島民にとって、革命軍と海軍との譲り合いだの何だの関係ねぇよ。医師もいなくて生きるか死ぬかの瀬戸際で、一発逆転の麦わらがワポルに挑んでる最中、俺ら革命軍が何もせずにチャンスを逃せるかって話だ。」
「麦わらの一味に便乗して、革命軍がご活躍された件については聞いていますよ。だからこそ我々は革命軍を敵と定めるしかなくなったのです。」
「まるで不本意にって言い草だな。」
「個人的には不本意ですよ。海賊以外にも敵が増えたのですから、損得勘定で判断するなら微妙に損です。小さな支援に留めてくれれば、政府に対するご意見も多少同意できたのですけどね。」

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