常勝神話３【ONE PIECE】 (ページ2)

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関連事象記録　二ページ2

同刻。
耳鳴りがするほどの静かな夜道に、二人の無法者がいる。片方はようやっと酔いが醒めてきた様子でノソノソと、もう一人は面倒くさそうに歩いていた。

「酔って聞かなかったのはお前だからな。俺は付き合ってやってんだ。感謝しろよ。」
「ちっ、ちっ！わーってるよ！あぁ、おい、んならさ、これはどうだ？見回りの特権だ。あそこの納屋から酒をもらおう。工場には苦労させられてんだ。多少は礼をしてもらわねぇとな？」
「お！いいぞやってやれ！」

ガンッ、ガンッと扉を蹴る音が深夜の街に響く。無法者の大声に気付いていた職人は、鎚とノミを抱えて納屋の隅に身を隠した。吊り下げられたニンニクや唐辛子、積み上げられた粉物入りの麻袋と、乾燥とうもろこしを押し込んだ木箱、この地域では珍しいサトウキビの束もある。それらに埋もれるようにして、老いた職人は息を潜めた。

バキッと古い木の扉が蹴破られ、無法者は暗闇の中に目を凝らす。頼りにならない古ランタンを掲げ、納屋の片隅、木箱にまとめられたワインを見つけるや上機嫌に笑っている。

「二本、いや三本貰っていこうぜ。とっとと見回り済ませて飲もうじゃねぇか。」
「俺は四本貰っていく。起きてる奴らにも飲ませてやろう。それにお頭への土産も忘れちゃあいけない。」
「お前ほんと機嫌取りがうめぇよなぁ。組んで正解だったって何度思ったか！」
「褒める暇があるんならさっさと見回りを終わらせようぜ。ほら。」
「おーおー、相変わらず素直じゃねぇなぁ。褒めてやったら仕切りやがる。ははは。」

干されて枯れたニンニクの葉が動く。
瓶がぶつかり合う音が遠ざかり、老人はホッと息をついて物陰から顔を出した。

遠ざかった足音が、一つだけだとは気付けずに。

「よォスチルの工場長。ちょっくら来てもらおうじゃねェの。まだ答えを聞いてねぇ。今朝も言ったが、これ以上は待ってやれないんだ。」