常勝神話(ワンピ)、アラバスタ周辺2 ページ18
しかし随分と酷い戦争である。
戦争と言うよりも、これは暴動と呼ぶべきものだろう。単純な頭数での殴り合いは、眺めるに退屈過ぎる。先を読むまでもない、と一つため息をついた。
「検証に使いましょうか。」
予測上はまずまずの結果が出るはず。
反乱軍は一般人の寄せ集まりなので、簡単な参謀に簡単な武器を使い、読みやすい動きをしてくれる。軍事的作戦には不慣れな彼ら相手であれば、指示系統や連携を断つのは簡単。爆弾をいくつかタイミングよく投下してやれば事足りる。
ハインは袋から部品を取り出して、カチャカチャと組み立て始めた。ドフラミンゴはそれを上から覗き込むようにして観察し、時折周囲を見渡す。
「玩具みたいな爆弾だな？」
「火薬は専門外ですからね。そこまでのものは用意できませんでした。」
ハインは冗談交じりに言いながら組み立て続けた。玩具みたいだとドフラミンゴは言ったが、一般人から見れば十分な兵器だ。
爆発範囲は半径五メートル。
内部は鉄の破片が詰められている。
「その破片は。」
「訓練で使われた銃弾の残骸です。硫黄も欲しかったんですけどね。」
「硫黄は後で手配してやるよ。だがリサイクル業も始めたとはなァ。物資困窮もついにか？」
「いやこれは有効活用の為に前々から提案をしていまして。上の好みではなかったようですけどね。」
銃弾の残骸を初めとした鉄屑を確保するのも面倒だろうし、量産に向いていないのは確かなことだから文句などない。となれば、個人的に作って使えば良いだけの話だ。
組み上がった爆弾をドフラミンゴに渡すと、彼はパチンコのようにして群衆の中心部へ撃ち出した。二個三個と叩きつければ…予測通りまずまず満足のできる結果を出す。随分と酷い集団パニックだ。
「さて、首の確保に行きますか。」
アラバスタと言う要所を確保するには、まず首を確保しなければならない。それにネフェルタリ家は遅かれ早かれ保護する必要が出てくる。あの一族は今後の世界において重要な駒になる可能性が高いのだ。
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作者名：poidf（ポイドフ） | 作者ホームページ：なし
作成日時：2022年1月3日 1時
