ネタ、下書き置き場 (ページ17)

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常勝神話(ワンピ)、アラバスタ周辺1 ページ17

既にアラバスタは砂埃の酷い戦場になっていた。混乱具合も相当な有様で、事態を収集するのは難しそうに見える。ハインはその様子を見て目を薄め、ドフラミンゴも若干ながら厳しい顔をした。

「…話と違うのですが？」
「俺も驚いてるところだ。」
「読み違えるとは珍しい。」
「獄中生活で鈍ったかもなァ。」

なんて冗談を交わしつつ、二人は高い物見塔に陣取っていた。ハインは持ってきた荷物を広げながら、風を一つ吹き渡らせる。ドフラミンゴは緩やかな曲線が美しい手すりに腰掛けて、眼下の騒動を観察している。遠くにも砂埃が見えていた。おそらくあそこでも争いが起こっているのだろう。

珍しくワニ野郎がしくじった。
恩を売るにゃ丁度いいだろ？

さして大きくない、しかし楽しげに放たれた言葉は、鉄錆臭の混ざる砂漠の風に流される。どうせ気を使わずともこんな風では誰も聞き取れまい。ハインは同意とばかりに一つ笑った。

気配りの必要ない楽な仕事場だ。
周囲に問題なし、高所は確保済み。

ハインは手すりに背中を預けたまま、戦場を見ることもなく恩になりますかね？と呟いた。あの七武海のことだから、頼んでないとでも言って切るだろうに。まぁ別にアラバスタという〈要所〉が確保できれば、ひとまずそれで構わない。