第二話 鈍色の金属片 ページ8
ドフラミンゴからいい物とやらを受け取ったハインは、微かに眉をひそめてコロコロと弄ぶ。
「取引に応じた海賊は、隣島の浜で藻屑になってたぞ。フフッ！」
愉快そうに笑ったドフラミンゴは、連れてきた数人の仲間に声をかけ、バギーとベラミーを片付けに歩いて行った。
そよそよと流れる蛾の目の風に、緩く結われた灰色の髪が揺れる。火事場泥棒を狙って最後まで残っていた海賊達も、流石にドフラミンゴが出てきたとなれば蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。町民達は森奥の広場へと避難し、港町はいつの間にか静かになっている。
ハインは敵を片付ける七武海を他所に、おそらく〈貨物船が狙われた原因〉の一部だろうそれを陽の光にかざす。
渡されたのは鈍銀色をした金属片だ。
光に当てれば、水面に張る油膜のような七色が浮かび上がり、素手で触ると海楼石に触れた時に似た不快感を感じる。指輪一つ分にしかならなさそうな金属片だが、これがどれだけの面倒事を呼び込むのか、ハインは瞬時に理解した。
海楼石とは…まぁ言わずもがな。
今回問題になるのは海楼石の性質ではなく〈海楼石が持つ価値〉である。
この鉱石によるパワーバランスの調整は、世界政府を有利とする戦略の一つとして重要視されている。使用は海軍、司法、聖地、インペルダウン等の政府機関のみに限られ、海賊被害に悩む各国から解禁要請を受けているものの、政府は全て頑なに却下していた。この海で一番多く能力者を抱える存在が世界政府自身である以上、簡単に解禁する訳にはいかないらしい。
能力者には能力者を、それでもだめなら海楼石を。この二重構えで、世界政府は海賊に対抗しているのだ。
と、それとは別に…海楼石には少しばかり厄介な問題が付き纏う。
海楼石は、宝石や貴金属と変わらないほど高価な物だ。産出地が限られる上、加工も難しく、発注すれば必ず手に入るものではない。そもそも間にドフラミンゴを挟まなければ買い付けすらままならない。もしこれが鉄のように扱いやすく、安価で、大量に入手できたのならば、世界政府は更に大きな力を得ることが出来るだろう。
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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (
レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
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