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第六話 万人彩色 ページ37

少し見ない間に何があったのやら、革命軍の船は海賊に絡まれて、小競り合いを起こしていた。

騒ぎを聞き付けたガレーラは両者を牽制するように対応中だが、かいもなく段々とエスカレートしているようだ。海賊は妙な執着心で革命軍を攻撃し、革命軍は進路を阻まれているので離脱できないでいる。間に入っているガレーラは両者を捌ききれずに圧され気味だった。

本来、海兵ならば駆けつけて助太刀するべきだ。しかしハインは蛾の目の風を止め、ふいっと視線を逸らした。そのまま何の反応も示さずに、ふと、数時間前に部下から受けた報告を口にする。

「革命軍の護衛艦に対し、ドラム王国から討伐要請が出されています。国を奪われかけたとか、襲撃されたとかで珍しく国王直々の要請です。これってテーブルアイランドに同行した護衛艦ですか?」
「…あぁそうだが…一つ言わせてくれ。物理的に国を食う王が何寝ぼけた事を言ってるんだ?」
「悪食癖ですね。知っています。だからこうして方針が定められる前にお伝えしているのです。」

加勢に呼ばれたのだろう、ガレーラ本社にいた船大工達までもが港に駆け付け始めている。観戦していた島民達の声も大きくなり、その声援は夜のウォーターセブンに響いた。けしかけるような応援にマリアは微妙な顔を浮かべ、成り行きを見守っている。

「島民への物資支援だけならば構わないのです。そちらが留まってくれさえすれば、多少は見ないふりもしましょう。」

革命軍は悩みの種だ。
ただ、人々の暮らしを守る海軍的に考えると〈自分達の目が届かない島々に支援物資を提供してくれる〉革命軍は、時に都合が良い存在なのである。

と、言うハインの話を聞いたサボは、もう少し欲張りたい気配を見せながらも慎重に吟味し、現状としては十分な譲歩だろう…と頷いた。なにせハインとサボは出会ったばかり、海軍と革命軍は追って追われてを繰り返していた仲なのだ。衝突する可能性を視野に入れつつも、悪くはない譲り合いである。

まぁ、元よりドフラミンゴのご意見を受けているハインは彼らを叩くつもりなのだが、ドレスローザ以外ならお互い譲歩で良いと判断した。余計な戦線が減り、かつ島民の助けになるのなら、それに越したことはない。

「分かった。その方向で検討しよう。しっかし国王の性格を知ってるのなら、なんで支部を置かない?ドラムも加盟国だろう?」
「必要がないからですよ。」
「…含みを感じるなぁ。」

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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:poidf | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月4日 15時

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