第三話 ネモエリア ページ20
まぁそれはともかく。
何かの革で作られた短剣の鞘には荒波が描かれ、刀身は鈍い七色を発している。触れれば嫌な感覚がしたので、間違いなく異鉄を加工して作られた短剣になるだろう。対能力者武器として優秀だろうが、非戦闘員には無用の長物。とて表に出すには説明に困るし、ただの金属片ならばまだしも、これは加工済み。大問題を引き起こすには十分すぎる代物だ。
(貨物船から盗まれた品はこれですね。良かった。回収完了。)
と言うわけで、ハインは短剣をベルトに固定し、軍支給品の短剣とセットで二本持ちとした。まぁ外見的にはウエストポーチの裏側に隠れてしまうので大した変化はないのだが、短剣二本と拳銃一丁を所持していれば、少しくらいは中将らしく見えるかもしれない…だなんて思いつつ日誌をペラペラと確認し始めた。
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六月十八日
ガレパスでまた衝突が発生した。今度はミュラ近郊。薬が来なかった、と可愛い娘が怒っていた。けれど私は、私の病や体調よりも、この娘の未来の方が心配でならない。バルバロイはかの蜃を本当に討伐できると思っているのだろうか。テクタさんが生きていれば、こうはならなかっただろうに…。
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テクタとはハインの父に位置する人だ。
父と言っても養父で、十数年前に殉職してしまった。それ以上のことは知らず、そも顔すらハインの記憶にはない。
(航海日誌ではなさそうですね…約二年前の日付…あ、航路のメモがある。シャボンディを出て大スフレ島、冬島二つ、シラトラ島からウォーターセブンで…ジャヤ、テーブルアイランド。ガレパスに戻って、それっきりと。)
ガレパス…とハインは呟き、記憶を漁って場所を思い出す。確かガレパスはサンディ島の内陸国家だ。アラバスタの奥にある小さな非加盟国の一つだったはず。
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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (
レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
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