私とあの子は違うので。【ツイステ】

完璧なお茶会 ページ8

ながいながい1週間が終わり、やっと来た週末。


最近みた、謎の夢のせいでよく眠れていない私はぼーっとしたまま赤と白を基調とした寮服に着替える。


いつもだったらここで二度寝をするのだが、今日はなんでもない日のパーティーなので、しっかり準備をしないと行けない。


寝癖でモサモサのショートカットの髪を後ろで小さくまとめる。


「よしっ！これで大丈夫っと！」


首輪をガチャガチャ言わせながら外に出ると皆が慌ただしくお茶会の準備をしていた。


「あっ、トレイ副寮長！おはようございます！」

「ん？ああ、おはよう。」


ちょうど前にトレイ副寮長がいたので元気よく挨拶をすると笑顔で答えてくれる。


今日も母性が溢れてますね…！副寮長！！


何をすればいいのか分からなかったので、お菓子を運ぶというトレイ先輩について行く。


そうえば、ちょっと前のギャン泣きしたリドル寮長について、トレイ先輩ならなにか知ってたりするのかな…？


「………副寮長、あのぉーリドル寮長って、なにかあったり…しました、か？」


「よく気づいたなぁ、新しく入って来た1年生とちょっと揉めててなぁ…」

私がおずおずと伺うと、トレイ先輩は驚いたようにこちらをみて、困ったように眉を下げた。


「まぁ、あの二人にはタルトを持って謝らせるつもりだから大丈夫だろ。心配してくれてありがとな」


そう言うと、トレイ先輩は私の頭をがしがしと撫でる。


その手つきはさながらお父さんのよう。

母性と父性を兼ね備えたハイスペック人間………これが、トレイ・クローバー副寮長………！


が、しかしこれもお決まり展開である！
スキンシップの後、あいつ……意外と小さいな…まさか…………！女！？ってなって秘密の関係がはじまら…………なかった。


「それじゃ、頑張れよ」


私にお菓子の運びを任せ、トレイ先輩は忙しそうにどこかへ行ってしまう。


おいおいまてまてもどってこい？

な？もっぺん撫でろ？女だぞ？髪の毛からいい匂い………はしないけど！男物のシャンプーの匂いするけど！ねぇ！ねぇねぇ！


私の願いも虚しくあっという間に先輩は寮生に取り囲まれ、慌ただしく指示を出し始めた…。


仕方がない。トレイ先輩は忙しいのだ。

とほほ……


私は右手にケーキ、左手にサンドウィッチを持ち、外に向かう。


これ…意外と重いな


「うおっととっ…！すっ、すみませ……」

フラフラしながら歩いてていると、誰かにぶつかりそうになってしまう。

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