私とあの子は違うので。【ツイステ】

優しさと走馬灯 ページ7

久しぶりに夢をみた。


夢、と言ってもなにかストーリーがあるようなやつじゃなくて各場面がぽんぽんぽんと移り変わって行くだけの夢。


『おいA、まぁーた教科書忘れたんでござるか？ワロスwwしょうがないから拙者のを貸してあげるでござるよ。』


これ…は？

私が魔法史の教科書を忘れた時に貸してくれた…………ソシャゲのガチャ結果でマウントを取ってくるイグニハイド寮のボブとの思い………出？

あっ！


意識がハッキリとしないまま、景色がぐにゃりとまがり次に移ってしまう。


『お前も食うか…………？サイコーだぜ…！』


こっ…こいつはっ！

私と同じ病弱設定で授業をサボり、医務室に隠れてスナック菓子を貪っていたポムフィオーレ寮随一の低身長、ジョン！！


なっ…懐かしい…確か先生にバレて、くそみたいに怒られてたっけ……。


他にも、白衣が常に泥だらけなフィリップやいつも私に最後のポテトを譲ってくれたウィリアムなど、色んな人が移り変わりでてくる。


これ………夢っていうか走馬灯みたいだな………


どうやらこの走馬灯はぐるぐると時を巻き戻しているらしい。


記憶が曖昧にになっていっているのか、徐々に視界がぼやけていく。


『………君、大丈夫……？』


ぼやけて何も分からない視界の中で優しい声と共にさし伸ばされる手。


「これっ……て、確か入学式の時に…」


入学式、ここがどこなのか、なんなのか、何も分からず思わず泣き出してしまった私に手を差し伸べてくれた………


「えっと…誰だっけ…………」


あれから色々起きすぎたし、泣いていて顔を良く覚えてもいない。


辛うじて、王子様みたいで素敵だなって思ったのは覚えている。


誰だろう。もっとちゃんと見ようと目をこらそうとすると、景色がぐにゃりと歪み、世界が回り出す。


「まっ！まってっ！！」


『………名前……は………………よろ…し…』



思い切って手を伸ばすも届かない。


視界が思いっきり反転し、目を開けると私はベットの上で寝ていた。

どうやら朝らしい。



「なんちゅー夢だよこれぇ………」

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