深夜1時 ページ7
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自分の気持ちが分からないのなら、まず会いに行ってみるべし。
夏希にそう云われたあたしは早速授業が終わったあと、警察署に向かっていた。
警察署の中に入れば終わってしまう話なのだが、妙に緊張してなかなか足を踏み入れることが出来ない。結果的に警察署の前をうろうろしてしまっていた。こんなんじゃ不審がられてもしょうがないよな。そんなことを考えていると、中から一人の警察官さんが顔を覗かせた。それは、中原さんじゃない人。
「 キミ、如何したの?ウチに用がある? 」
「 えっ?あ、えーと……な、中原さんって、今日はいらっしゃらない、ですよね 」
「 中原?ああ、彼奴なら今週は当番じゃないよ。ウチの当番は俺と彼奴で一週間交代だから 」
まさか、それを聞きに来たの?
健気な彼女さんだねえ。
楽しそうに笑う警察官さんの言葉を、聞き流すことは出来なかった。当番が一週間交代っていうのも大切な事実だけど、その後。警察官さんは確かにあたしのことを、中原さんの彼女だと云った。
「 か、彼女じゃないですっ! 」
「 あれ?違うの?彼奴にもやっと可愛い春が来たって思ったんだけど 」
とんでもない勘違いだ。あたしが中原さんみたいに格好いい人の彼女だなんて、烏滸がましい。あたしは慌てて否定した。
けれど、少しだけ嬉しくなったのは如何してだろうか。中原さんの彼女だと思われたことが、如何してか嬉しかった。之は、あたしが中原さんのことを好きだからなのだろうか。
取り敢えず中原さんの当番が一週間事だということだけでも良かった。あたしは警察官さんにお礼を云って、警察署をあとにした。また来てね、彼女さんと云って警察官さんが手を振ってきたのは気の所為だ、多分。
家に戻って制服を着替え、そのままベッドにダイブする。スマホを弄りながら、考える。
あの警察官さんがあたしのことを彼女だと勘違いしたってことは、中原さんには彼女がいないって事なのかな。いや、でも中原さんがあの警察官さんに彼女がいることを話してないだけかもしれないし。
考え出すとキリがなくって、あたしはスマホをベッドの上に放り投げた。
「 あーもう、考えてても分かんない! 」
分からないことは、直接聞かないと。
あたしは来週が早く訪れるのを願って、ゆっくり瞼を閉じた。
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しょこたん(プロフ) - 初めまして!警官中也さんとか最高過ぎます!続き更新してほしいです! (2018年12月10日 20時) (レス) id: 130af08cdc (このIDを非表示/違反報告)
しらせ(プロフ) - キサラギさん» コメントありがとうございます!その発想はなかったけど面白すぎませんか、、、笑 中也さん不憫すぎます笑 マフィア中也さん×警察官夢主ちゃん、、、それはそれで面白いかもしれませんね笑 ありがとうございます! (2018年8月24日 6時) (レス) id: d14bf30071 (このIDを非表示/違反報告)
キサラギ - タイトルだけ見てるとマフィアの中也が (身長のせいで) 警察に補導されたのかと思って笑ったw (2018年8月24日 0時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
しらせ(プロフ) - 乃杏さん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんと中也さんが色々すれ違っちゃうかもしれませんが、また暖かい目で見守ってやってください〜笑 (2018年8月22日 7時) (レス) id: bba8357d2d (このIDを非表示/違反報告)
乃杏(プロフ) - 夢主ちゃん!大丈夫!私の親は6歳差だから! (2018年8月21日 17時) (レス) id: 477b1e96bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらせ | 作成日時:2018年8月11日 20時