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『次はもっと急ぐわ』

「悪いな。ま、陸に行ったらちゃんと風呂付きの部屋とってやるから、その時ゆっくり入りな」

『いいの?』

まさかそこまでしてもらえるとは思っていなかった。


「そりゃあこっちの都合で急いでもらってんだ。それくらいのご褒美がなきゃな」

これは完全にマルコの独断なので部屋を取るのは自分の財布からとなる。ま、風呂付きの部屋の一つや二つ、なんでもないが。


とん、とマルコの胸に何かぶつかる。

それはAの頭だった。


『ふふ、ありがとう』

背中に腕を回して見上げてくる。


「お、おう」

返事を聞いて照れたように離れて、走り去る。

その背中をぼんやり見送って、



………まてまてまて!あんなやつひとりで歩かせられるか!



すぐに追いかけて腕を掴む。

幸いちょっとだけ走って角を曲がった先では歩いていたのですぐに追いついた。

『なぁに?』

「送る」

『んふふ、マルコって心配症なのね。部屋、なんとなく覚えたわ』

「なんとなくじゃ困るよい」



そういうことじゃないけどな〜〜〜!



無事Aを部屋に送ったあと、すぐに会議を開いた。それはもちろんAについてだ。

「あいつ、ひとりでほっとくとぜってぇ喰われる」

「はあ」

ジョズはへぇ、くらいの感覚だが、見た感じそうかもしれないと思った。


結果、風呂上がりは絶対部屋まで送ることと取り決めができた。





船に乗って5日。

仕事の流れはわかった。でも、やっぱり細々としたところがわからなかったり、お掃除に時間がかかってしまう。

他の船員は自分の倍以上動いている。


周りがAを甘やかしているから仕事独特の厳しさはないものの、落ち込んでしまう。

しかもだ。その仕事を終わらせると他の船員は元気に訓練参加もしているのに、足が重くてもう1歩たりとも歩きたくなくなる。



浮かない顔のAに声をかけたのはイゾウだった。


「よ、お嬢。浮かない顔だな」

Aには悩みを相談できる友人のような立場の人がいないのでここで話しかけてくれたイゾウが神様みたいに見えた。

『うん、あのね、』

そう言って秘密事を話すように耳元で話すのであった。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (3月24日 23時) (レス) @page39 id: e83d5f7d48 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - ますしんさん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけてとても嬉しいです!続きもお待ちいただければと思います (12月28日 16時) (レス) id: 7b0cf56c3d (このIDを非表示/違反報告)
ますしん(プロフ) - とても読みやすくて、内容もどんどん続きが読みたくなる本当に素敵な小説ですね!次の更新が楽しみです! (12月25日 0時) (レス) @page37 id: 3a092db897 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pistachio | 作成日時:2022年11月9日 4時

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