彼女 26 ページ26
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茅ヶ崎さんの部屋に連れ込まれるのかと思ったが、部屋という部屋を通り過ぎ、談話室に戻った。
戻った、というより、談話室の扉の前で私と瑠璃川くんは戦っていた。
「ちょ、ちょっと待って!流石にみんなに見せる必要とかなくない?」
「みんながAの為にここまでしてくれたのに見せないの?」
「それはほんとに感謝してるんだけど、こんな格好で皆の前に出るのはちょっと勇気がいるというか」
「至はブロマイドとしても売られてるよ、もう大人なんだから潔く諦めたら?」
知ってるよ!!買ったもん!!
でもそれとこれとは別で!
茅ヶ崎さんは顔がいいから、何しても許されるけど私はそこそこってレベルでもないのに、人前に出れるわけがない。
手を引っ張られるものの、引っ張り返し、を繰り返していてそろそろ疲れてきていた。
そんな所に悪魔が舞い降りた。
「何やってるんすか」
「せ、摂津くん……」
コーラ2本を片手に、スマホゲームをしていた摂津くんに出会った。
正確には摂津くんが談話室の扉を開けたのだが。
「見て、インチ…至とペアルック。まあ元気100%も一緒なんだけど、出来るだけ至に似せたの」
摂津くんにそう伝えると、先程まで興味無さそうにしていたのに、突然私をマジマジと見だして、シャッター音が聞こえた。
「な、何撮ってるの!!」
「いや、あまりにも可愛かったから、世の中こんなに可愛い人いるんだって思っただけ」
「消して消して!!今すぐ消して!」
「消してほしいなら俺の事万里って呼んで」
「万里くん消してくださいお願いします!」
「必死かよ。はいはい、後で消しとくっすわ」
と、手を振り、103と書かれた部屋に入っていった。
「まあいいや、ほら行くよ」
油断していて、私は瑠璃川くんの手によって談話室に入ってしまった。
「見て見て、結構可愛いでしょ」
露出狂だと通報されないだろうか、もうそんな心配しかしてなかった。
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白身魚(プロフ) - natugyuさん» comme thanks* 面白いと言って頂き感謝の言葉しかないです。最初は至さんをこんな性格の悪い奴にして大丈夫だろうか、と不安がありましたが心強いです。夢主ちゃんも心広すぎて少しは茅ヶ崎怒れよお!って思いながら書くときもありました笑 更新頑張りますね(*´ェ`*) (2018年5月16日 20時) (レス) id: d04133848a (このIDを非表示/違反報告)
natugyu(プロフ) - とっても面白いです!至さん推しなのに夢主ちゃんの健気さに胸を打たれてしまいましたw (2018年5月16日 16時) (レス) id: 5862bce5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白身魚 | 作成日時:2018年4月22日 20時