彼氏 16 ページ16
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腹ごしらえを終え、ファミレスを出ようとしたら難関のクエストに遭遇した。
「茅ヶ崎さんが劇団員の為とはいえ、私に時間をくださったのでここは奢らせてください！」
「折角のデートなんだから俺に奢らせて？」
「いいえ、そうでしたら初めてのデートは私に奢らせてください」
彼女の『奢って』攻撃じゃなく『奢る』攻撃だった。
Aちゃんと過ごしててよく思うことは、予期せぬ出来事が起きると固まること、そして俺にお金を出させないこと。
実は今回が初めてじゃない。
この間も差し入れを持って行ったとき、凄く驚いた顔をして『お、お金は無闇に彼女に使うものではありませんよ』と小声で呟いてた。
俺が『もしかして迷惑だった…？』って少し悲しそうにすると勢いよく首を横に振り、『迷惑じゃなくて、私なんかに使うのが勿体無いので…』と、俺が
それからは、『実は友達が、』とか俺がお金を使ってない風に装い差し入れを持って行った。
そんな事があるというのに俺は軽率にファミレスに行ったことを後悔した。
「じゃあ自分の分は自分で出そう？」
「それじゃ、茅ヶ崎さんの方が高いですよ…！」
「俺はご飯食べたからね、しょうがないの。だめ？」
俺は自分の使い方を理解してる。
こうすれば女の人は落ちるとか、こうやれば女の人は照れるとか。
それはAちゃんも当てはまっていて。
多分この顔に弱いんだなあって思う様に、Aちゃんも少し悔しそうに、「次は奢らせてください」と、自分が食べたパフェ代だけを出した。
こうも簡単に折れるなら最初からこうすれば良かったと、自分の食べた代金を出した。
「ここから少し歩くけど大丈夫？」
「大丈夫です、」
「じゃあちょっとだけ」
口元に人差し指を添え、俺はAちゃんの手を握った。
相変わらずAちゃんは固まり、俺に引っ張られるように寮へ向かった。
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白身魚(プロフ) - natugyuさん» comme thanks* 面白いと言って頂き感謝の言葉しかないです。最初は至さんをこんな性格の悪い奴にして大丈夫だろうか、と不安がありましたが心強いです。夢主ちゃんも心広すぎて少しは茅ヶ崎怒れよお！って思いながら書くときもありました笑 更新頑張りますね(*´ｪ`*) (2018年5月16日 20時) (
レス) id: d04133848a (このIDを非表示/違反報告)
natugyu(プロフ) - とっても面白いです！至さん推しなのに夢主ちゃんの健気さに胸を打たれてしまいましたｗ (2018年5月16日 16時) (レス) id: 5862bce5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白身魚 | 作成日時：2018年4月22日 20時
