彼氏 20 ページ20
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「いい、A。会えるときに傍に居ないと後悔するんだからね!」
「それも、そうなんですが…、私が予定も聞かずに茅ヶ崎さんの寮に行きたいと我儘言ってしまったのが原因ですし、少しでも茅ヶ崎さんと一緒に居れたので私はもう充分です」
今日がいい、劇団員がどうしても会いたい。
俺が言った筈の言葉を全部自分の所為にしたAちゃん。
どうしてそこまで俺に尽くしてくれるんだろうか。
俺には理解が出来ない範囲だった。
幸が納得いかないという顔をしていて、それを見た一成が、「Aちゃんって、門限あるの?」と、声をかけた。
「一人暮らしなので、門限という門限はありませんが…」
「じゃあさ、いたるん居ないけど、オレたちとお話しない?せっかく来たんだしさ!」
彼女の気持ちを優先させたい。
だけど、幸の気持ちも捨てられない。
考えに考え抜いた結果だろう、一成はそう提案した。
Aちゃんはどうしようと、ちらっと俺の方を見る。
「Aちゃんが平気なら俺は大丈夫だよ?」
「えっと、じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかな」
小さく笑うAちゃんに、皆が安堵した。
くるっと、幸が振り返り俺に近づくと、「彼女の事は任せてゲームしてきたらどうですか」とドスの効いた声でAちゃんに聞こえないように言った。
めちゃくちゃ怒ってるな〜、とは思ったが俺も言葉に甘えさせてもらい、万里を連れて部屋に戻る事にした。
「何か用があった呼んでね、すぐには行けないけど絶対行くから」
それだけ言い、俺は談話室を出た。
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白身魚(プロフ) - natugyuさん» comme thanks* 面白いと言って頂き感謝の言葉しかないです。最初は至さんをこんな性格の悪い奴にして大丈夫だろうか、と不安がありましたが心強いです。夢主ちゃんも心広すぎて少しは茅ヶ崎怒れよお!って思いながら書くときもありました笑 更新頑張りますね(*´ェ`*) (2018年5月16日 20時) (レス) id: d04133848a (このIDを非表示/違反報告)
natugyu(プロフ) - とっても面白いです!至さん推しなのに夢主ちゃんの健気さに胸を打たれてしまいましたw (2018年5月16日 16時) (レス) id: 5862bce5b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白身魚 | 作成日時:2018年4月22日 20時