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「あ、来た来た」
「え？」
いつもの場所に着くと、珍しくコネ先輩に手招きされた。
「どうしたんですか？」
「これ」
そこには凍らすタイプの飲料が二本あった。もう半分ほど溶けている。
「アイスは完全に溶けてまうやん」
「……あぁ！前のアイスのお返しですか？」
「せや」
コネ先輩は意外と律儀だ。
「ありがとうございます」
腰を下ろして、ぼんやり空を見上げた。入道雲が夏を主張してくる。
先輩本当に行っちゃうんですか、とか。
来年の夏は受験で忙しいから、こんな風にここで話せないんですか、とか。
先輩は眩しくて、私の憧れです、とか。
……好きです、とか。
言いたいことは山ほどあるのに、言葉にできずに、黙って冷たい飲料をちびちびと飲んだ。
「先輩って」
「なんや」
「好きな人とか居るんですか？」
きゅっとスカートを握り込んだ。
少し踏み込んだらすぐに察されてしまいそうだ。
「おんのか」
「私の話じゃなくて先輩に聞いてるの！」
「んー…………」
腕を組んで考え出す。いない、と即答されると思っていたから驚いた。
「い、いるんですか」
「いや、居らへんな」
焦った、私の知らない先輩の知り合いはたくさんいる。
たったひとつの年齢の壁が憎い。
同級生だったら、もっと先輩とたくさん話せたはずなのに。先輩が先に卒業してしまうこともなかったのに。
「お前っ、そういう風に聞いてくるってことは居るわけやんな！聞いたるで！」
興味津々で聞いてくるコネ先輩に、悪意なんて全くないのだろう。
「そうですね、……憧れなんです」
はっきり自分の意思を持っていて。それを言えて。
「太陽みたい」
「太陽ねぇ。それはまた、あれやな」
「あれって？」
「大きい存在ってことか、うん」
「そうです、ね」
眩しくて、絶対に追い付けない。
友達とはしゃいでいる学校での先輩に、私はきっと、こうやって話しかけることもできないだろう。
はじめは似てるとか、同類だとか思っていた。
家族に思うところがある、という共通点だけで、私なんかより先輩はずっとすごい。
「お前の学年のやつ？やったらなんもできへんな」
「なにするつもりなんですか」
「お手伝いやん」
「いらないですから！」
不満そうな先輩が口を開くより前に、袖を掴んだ。
「好きです」
目を丸くする先輩。
「練習相手になってもらおうかな、って。どうです？」
「声が小さい！」
まさかのダメ出しに、あぁ先輩だな、と笑ってしまった。
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しをじゃけ(プロフ) - 夢喰いbakさん» 返信遅れまして申し訳ありません...！そう言っていただけるととても嬉しいですし、励みになります！全ての作品に魅力があるのが伝わってとても嬉しいです〜！^^風邪引いちゃいますので服は着てください(笑) (2020年7月18日 2時) (
レス) id: df6ceccb61 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いbak - 素晴らしい企画を発案、実行、投稿して頂き、誠に…まっこっとっに！ (おふざけ)ありがとうございます!!!! 全ての作品に楽曲の素敵さや儚さが詰め込まれていて心にキました…。第二弾！全裸待機していますよ…!!(笑) (2020年7月15日 0時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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