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『ほんとだ！って、食いしん坊じゃないもん！』
｢んふ、いっぱい食べて大きなるんやで。｣
『ｰｰｰに言われたくない！』
隣には君がいてくれたから、あの夏私は寂しくなくなったんだよ。
だけど夏休みが終わる数日前、君はぎこちない笑みを残してどこかに行ってしまった。
写真なんて勿論撮って無かったし、忘れないようにと思って描いた絵もなんだか気に入らなくて全部ゴミ箱に放り込んだ。
でも忘れたくなかったから、忘れられそうになかったから。
だからずっと、夏は君を思い出している。
君みたいに大人っぽくなれるように背伸びをして、沢山頑張ったよ。ピーマンも食べられるし、友達もいっぱい出来た。
だけどね、君には追いつけそうもないや。
思い出に一呼吸おいて、空を見上げた。輝く満天の星空が綺麗で、君ともこんな空を一緒に眺めたかったな、なんて。
『私ね、大人になるんだ、ロボロ。』
長い間口に出してなかった君の名前。
口に出したら思い出ごと消えてしまいそうでずっと言えなかった。
『あのね、私楽しかったよ。ロボロと遊んでる時。』
心の奥底にしまい込んだ、やっと気がついたこの気持ちは噤んだまま俯いた。
｢俺もやで。A。｣
唐突に聞こえた懐かしい声に顔を上げる。そこには以前と変わらない姿の君がいた。服も、喋り方も、雰囲気もあの時のまま、そんな君が。
『ロボロ…？』
｢うん。｣
『やっぱり小さいね！』
｢やかましわ。｣
『…あのね、』
｢A。｣
彼の顔の横に付けられた紙が靡いて耳を覗かせる。尖った耳は、人間のものではないと私に悟らせるのには十分だった。
｢俺も楽しかったで。｣
『うん…。』
｢忘れないでいてくれてありがとう。｣
『忘れないよ。これからも、ずっと。』
｢んふ、嬉しいわ。｣
困ったような顔をして笑った彼は、ぎこちない手つきで私のことを抱きしめた。大人ぶる彼を見たのは初めてだった。
そして額に落ちる柔らかい感触。驚いて瞑った目を開けると、そこには暗い海と砂浜があるだけ。
しゃがみこみながら消えそうになる君の温もりを抱きしめて、溢れてくる思い出を噛み締めた。
肝心な気持ちは口に出せなかったけど、きっと私たちは同じ気持ちだった。それでいい。それでいいんだ、もう。
少し暖かい海風が頬を撫でる。
大丈夫だよ。大人になったから、泣かないよ。
立ち上がった時、ポケットから落ちたスマホのディスプレイには０時5分の数字が映し出されていた
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しをじゃけ(プロフ) - 夢喰いbakさん» 返信遅れまして申し訳ありません...！そう言っていただけるととても嬉しいですし、励みになります！全ての作品に魅力があるのが伝わってとても嬉しいです〜！^^風邪引いちゃいますので服は着てください(笑) (2020年7月18日 2時) (
レス) id: df6ceccb61 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いbak - 素晴らしい企画を発案、実行、投稿して頂き、誠に…まっこっとっに！ (おふざけ)ありがとうございます!!!! 全ての作品に楽曲の素敵さや儚さが詰め込まれていて心にキました…。第二弾！全裸待機していますよ…!!(笑) (2020年7月15日 0時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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