上から落ちて、下から落ちて (ページ8)

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siX ページ8

「お疲れさまでした！」
「７人ともよかったよ！」
紡と万里がタオルをもって駆けつける。
７人はそれぞれのタオルを受けとると、汗をぬぐった。
「ありがとうございます」
「いやぁ、暑い暑い」
「早く楽屋行って水飲みてぇ」
ステージ上で歌っている少女の声を聞き流しながら、会場から去っていった。

廊下は生放送の影響で混雑していた。
紡は仕事の電話、万里は急に社長に呼ばれ、今この場にいない。
「こんにちはー」
「お疲れ様です。」
迷惑にならない程度に挨拶をする。
「あのレディ美しいですね」
「ナンパするなよ。」
ナギに大和が釘をさす。
「Oh!ナンパではありません。スカウトです！」
「いや、どっちも一緒だろ。って、おい！」
三月が声をかけたときにはもう、ナギは近くを通りかかった女の子を捕まえていた。
「ハーイ！美しいレディ、ワタシとお茶でもどうですか？」
「！...あ、え？えっと...せんきゅー？」
大学生くらいか。大人びた印象を与えてきた。
「ほら、困らせてだろ！すいません！コイツ、ナンパ癖があって...」
三月が駆けつけ、ナギの背中を押して無理やり頭を下げさせた。
「ミツキ！酷いです！」
「ひどいのはお前、すんません、メンバーには俺からキツーく言い聞かせておくんで。」
後からやってきた大和は、さらにナギの頭を下げさせた。
さらに後ろから残りの４人も追いかけてきた。
「いえ、全然大丈夫です...というか、皆さんアイドリッシュセブンですよ、ね」
彼女は神妙な面持ちで見てきた。
「あ、そうですけど...」
「やっぱりそうですよね！...あ、とんでもない失礼をしました。すいません、適当な態度をとって」
急に頭を下げ出した。７人は不思議そうに顔を見合わせた。

「初めまして(・・・・・)、なでしこと言います。どうぞ、よろしくお願いします。」

見上げた顔を見た大和はどこか懐かしさを感じていた。