上から落ちて、下から落ちて (ページ6)

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fOUr ページ6

あの日から、１週間ー。

大和、三月、壮五はリビングにいた。
「今日はひさびさに７人全員で仕事だな」
「そうですね。今日はPVの撮影ですよね」
壮五が答える。
「大和さん、そうでしたっけ？」
「...」
大和はどこかを見たまま微動だにしない。
「？大和さん？どうかしましたか？」
壮五が不思議そうに問いかける。
「ん、あぁ。ごめん。聞いてなかった。なんつった？」
「今日って何のPVの撮影でしたっけ？」
再び壮五が問いかける。
「確か、スポーツドリンクだったような」
「あぁ、そうだ！あれ結構好きなんだよな」
三月が冷蔵庫を開けて、一本のペットボトルを出した。
「これ！何か色々種類があるらしいぜ」
「へぇ、おにーさんに頂戴」
緑とオレンジのコップに液体が入っていくり
すぐにコップの中は、薄ピンク色に染まっていった。
「ふーん、ピンクグレープフルーツか？」
「ぽいですね」
大和はコップを口元に近づけ、そのまま飲み干した。
「おぉー、これは確かにうまい」
「一気に飲むのかよ」
「いいじゃん、いいじゃん。じゃ、ちょっと寝てくるわ」
ソファーから立ち上がると、コップをシンクの中に置いた。
「伊織くんと環くんが帰ってきたら声かけますね」
おう、と片手をあげ大和は部屋から出ていった。

「最近どうしたんだろうな」
三月が心配そうに呟いた。
「一人で考え込んでるみたいですね」
「壮五はいつもだろ」
「そう、ですかね。...でも、何で急に大和さんは、」
突然ガチャっと音がして、リビングルームのドアが開いた。
「あ、すいません。何か話してましたか？」
陸がドアの隙間から申し訳なさそうに言った。
「全然大丈夫だよ、どうかしたかな？」
「何か飲み物を貰おうと思って」
しっとりした髪から見て、少し運動をしていたらしい。
「スポーツドリンクでもいいか？」
「全然大丈夫です！」
「あ、僕も貰おうかな」
紫、赤のコップに飲み物が入れられていく。
３人はソファーに座った。
陸は赤いコップを手に取り、一口飲んだ。
「ん、美味しい！これって今日撮るPVのドリンクですよね？」
「そう！よく気づいたな」
陸は全部飲み干し、
「ご馳走さまです！ちょっとシャワー浴びてきますね」
と駆けていった。
「そろそろ環くんと伊織くんも帰って来ますね」
壮五は一口飲むと時計を見上げた。
「ふぅ、食器洗うか...」
三月はようやく口をつけた。
少し温くなったそれは、想像よりも苦く感じた。