上から落ちて、下から落ちて (ページ23)

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eIGHtEeN ページ23

Aはこの日、朝早くから仕事があった。しかし途中で急遽延期が入ったため、学校へ行くことになった。
地下の駐車場では、響が学校へ連絡をしていた。
「...もしもし...あ、はい...」
後部座席のAは暇そうにスマホをいじる。
すると、知らない番号からの着信が入っている事に気がついた。
「...誰よこれ」
響の邪魔にならないように呟く。昨日の深夜に何回か同じ番号からかかってきている。ちょっと不気味に感じたAはその番号のブロックボタンをそっと押した。
ちょうどそのタイミングで響の電話が切れる。響はAを振り返った。
「A～行くよ～」
「はーい」
Aは鞄にスマホをしまう。エンジンがかかる音がして、車が発進した。

「じゃあ、学校終わったら迎えにくるから」
「ラジャ、」
それを見て響は彼女の方を見て親指をたてる。
「それじゃあ、グッドボーイ！」
「そこはグッドバイじゃん...」
Aがつっこむ。
そんなことは聞いてない車は彼女の目の前から去っていった。

玄関で靴をはきかえていると、チャイムがなる。たまたまそばにあった時計を見ると、ちょうど１２時半を指していた。この時間は、昼休みだ。
すると、嬉しそうに焼きそばパンをもった背の高い少女が現れた。
彼女は靴箱を通りすぎようとしてAの視線に気づき、Aの方を見た。彼女は一瞬考えるとすぐにパァッと笑顔を咲かせ、Aの方へ走ってきた。
「Aじゃん！久しぶりだね～」
「あ、美桜ちゃん！久しぶり～」
美桜、と呼ばれた彼女はAに抱きつくと頭を撫でる。
「よしよし、イイコイイコ～」
美桜はAの学校の中でも心を許している数少ない友人の１人でもある。
美桜自身もモデルの仕事をしており、最近では表紙を飾るほどまでになった。、
「モデルのお仕事、大変だね～、沢山有ったんでしょ？」
そういった後、周りを見渡すとAにしか聞こえない声で
「こないだのテレビ、見たよ！すっごい良かった！」
学校では彼女がなでしこであることはほとんどの人が知らない。
クラスの中でも限られた人しか知らないのだ。
Aのことをちゃんと気遣ってくれる友人に感謝をし、２人は教室に向かった。