上から落ちて、下から落ちて (ページ3)

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OnE ページ3

ぱちんとカチンコが高らかに鳴った。
「今日の撮影は以上です！お疲れさまでしたー」
「お疲れさまでした。」
「大和さん、お疲れさまでした。」
「ん、マネージャーおつかれさん。」
大和は紡からもらったタオルで額の汗をぬぐった。
「今日は万里さんが迎えに来てくださっているので、慌てなくていいですよ。」
「そうか、今日はMEZZO"の二人はオフだもんな。」
ということは、今日は俺が最後か...と心の中で思考を巡らす。
「さぁ、早く帰ってビールでも飲みますか。」
と、プルルルル、プルルルル。紡のスマホが鳴る。
「すいません、ちょっと出てくるので少し待っててください。」
「はいよ。」
駆け足で去っていく紡の姿を見ながら、自分のスマホの履歴を確認する。
ラビチャを見てみると、陸から晩御飯の写真が送られてきていた。

陸今日の晩御飯は、カレーです!大和今から帰る

「ふぅ」
いつも通りの会話を済ませた大和は新しい着信に目を向ける。

撫子久しぶり、元気?
「っ...！」
ガッっと音をたてて、スマホが大和の手から滑り落ちた。
「すみません、遅くなって...？大和さん、どうかしましたか？」
「あ、いや、ちょっと手滑ってスマホ落としただけだよ。」
誤魔化しながら、しゃがんでスマホ拾った。
「そうだったんですね。万里さん玄関前にいるそうです。行きましょう。」
「了解」
驚きをなんとか心におさめた大和は紡の後ろを追いかけた。