生まれ変わったその先で第二編 (ページ42)

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忘れた頃に……… ページ42

「__短い間でしたが、お世話になりました。」

　「おう、向こうでも気を付けてな！」

　といっても、ただ棟が変わるだけだが。と、
　班長は言う。

　私は、一週間に続く訓練を終え、今日からは
　前のように、クザンさんの見張り役に戻る。
　

　………この一週間、本当に大変だった。

　毎日のように鷹の目が乱入しようとするし、(そ
　の度センゴクさんに連れ戻されていたけど。)
　なぜかクロコダイルが話しかけてきたりと………
　まあ、うん。大変だった。

　というかあの報告書、規制を強めるように書い
　たはずなんだけどな。意味なかったか。

　「じゃあ、戻りますね。また暇ができたら
　訓練に参加しに来るので！」

　「「「いや、来るだけでいい！！」」」

　「………じゃあ、会いに来るだけで。」

　この一週間の訓練がよほど堪えたようだ。
　会いに来るだけと言ったときのみんなの安心
　そうな顔………

　「それじゃ、お元気で！」

　「おう！Aもな！！」

　少しスキップをしながら、仕事場に移動する。

　班長には、新入りではなく、名前で呼んでもら
　えるようになった。
　私のこと、認めてくれたみたいだ。

　「♪～♪～～……」

　自然と、鼻歌がこぼれる。よくお母さんと歌っ
　ていた曲だ。なんて名前か知らないけど。

　夜眠れないときに歌ってくれてたんだよね。

　「____あ、Aちゃん。おかえり。」

　「ん？クザンさん、なんでここに………」

　私が今立っているのは、大将や元帥がいる棟の
　玄関口だ。
　無駄に大きい背を壁に預け、クザンさんはこう
　言った。

　「頑張ったから、ごほうびちょうだい。」

　……………あー、そんなこと言ったっけ。