第四百二十三訓 ページ45
その後、色々な所をAは案内された。
真選組屯所に行きつけの団子屋、万事屋、スナックお登勢…そして、
初めて会った甘味処。
けれど、何処に行こうと記憶は戻らなかった。
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銀時「記憶戻んねーなァ…」
『ご、ごめんなさい…』
神楽「Aが気にする事無いアル!!」
『有難う…神楽ちゃんは優しいのね』
記憶を戻そうと躍起になっている内にすっかり夜になってしまい、今は真選組屯所に集まっていた。
また明日、頑張ろう…と違ういう感じだ。
『でも、私は一応警察官だったんですよね…そんな私が、抜けてしまったら仕事が…っ』
沖田「あー、そんな申し訳無さそうな顔しなくても大丈夫ですぜ、土方さんがやってくれます」
土方「はぁ!?っあー、そうだお前の仕事くれェ俺がやる。記憶戻す事だけ考えとけ」
会話の一部始終…Aの顔は晴れなかった。
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夜。
すっかり暗くなって美しい月が出る空が辺りを包み…とても静かな月夜になり。子供はもう寝る時間。
そんな中……A達が初めてあったあの甘味処に、Aは居た。
『……やっぱり、そう簡単には戻らないわよね』
急に記憶喪失になったと言われ、自分の存在すらハッキリと分からないのだ…眠れる訳がなく。
かと言ってこれ以上周りに迷惑をかける訳にもいかなくて、屯所を抜け出しやってきたのである。
甘味処の前で、羽織をキュッと握って立ちすくむA。その顔はとても悲しそうだった。
『っ、勝手に記憶喪失だなんて迷惑も良い所よね、自分の存在くらい自分で理解しないと…』
「ほォ、記憶喪失なァ……」
『ひゃ!?』
そこに、声をかける男が一人。
否……耳元で囁く、と言った方が正しいだろうか。
それくらい、男とAの距離は近かった。
『あ、あの、誰ですか?私、恥ずかしながら記憶喪失で…ていうか近いんですがっ』
「あァ…俺ァ高杉晋助だ。それにしても驚いたなァ…お前さんが記憶喪失とは」
男の正体は、高杉だった。
妖艶な目元を細め、煙管を吹かし、妖しく笑う。
そんな彼は、今のAにとって恐怖と羞恥の対象でしかなく。
『ぁ、あのっ、離れてくださいませんかっ!?』
顔を赤くしながら、高杉から距離をとった。
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どどん - とっても面白くて何度も読み返してます!そして小説の更新お疲れ様です。失礼ながら私夢主の絡んだ百合大好きでして…お時間あったら信女ちゃんとの絡みが読みたいです!図々しくてすみません。 (2022年8月4日 4時) (レス) id: fc656b568c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» わかるぅぅぅ土方さん良いよねぇ……書いてて楽しい。 (2021年5月9日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - あっ…土方さん…すこ…推せるわ… (2021年5月9日 21時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - こちらこそリクエスト答えてくれてありがとうございます!とても嬉しいです! (2021年4月14日 22時) (レス) id: ebf93dd213 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - おけです!ぱっつぁんですね、頑張ります!バラガキ篇も頑張りましたー!!これからも宜しくお願いします! (2021年3月22日 22時) (レス) id: ac88d92ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年3月3日 13時