【銀魂】空から女の子が降ってきました。11

第三百八十九訓 ページ11

それから鉄君は、トシと何回も稽古をして仕事をして……段々と真面目な人間になっていった。



と、此処で疑問が一つ。





どうしてあそこまでグレていた子が…こんなにもアッサリ変わったのだろう？





単なる粛清で戻る訳ない。鉄君には…色々事情がある様子だったし…それだけが分からない。こういうのは野次馬精神ご働いてしまうものである。



…………と、いうわけで。









『………何でですか近藤さん？』





何故か道場でバスケをしている近藤さんに聞いてみる。


え？何でって？？近藤さんなら知ってる筈だろうし………って、え？何でバスケをしてるかって？あ、そっちー？


………………知らね。







近藤「やっぱりAちゃんも気になるか？」



『はァ……ま、そうですね。ただの更正って訳でも無さそうですし』



近藤「そうさなァ…ハッキリした理由としては、トシが、鉄の過去に寄り添えたから…だろうな」



『え？』







過去に寄り添う、って……。どういう事だろう。トシと鉄君に共通点があったとか？







近藤「実ァな……鉄もトシも、妾の子なんだ」



『！』







そのまま、近藤さんは話してくれた。



トシが豪農の隠し子で、親戚から冷めた目を向けられていた事。だが嫡男である土方為五郎、という人だけはトシの事を息子の様に扱い幸せに暮らして“いた”事。


そして……トシが11の時、暴漢に襲われたトシを庇い為五郎さんが目を失明してしまった事。







『成程…それでトシは11にして暴漢達の目を抉った、と』



近藤「あァ、それからトシは為五郎さんのとこに顔を出さなくなり…更に、喧嘩三昧な日々を送りバラガキだなんて呼ばれる様になっちまった」






つまり……鉄君はトシの過去を聞いたんだね。

そりゃあんな態度にもなるか。あの子からしたら…今のトシは尊敬すべき人だ。同じ境遇ながら前を見て真っ当に生きてんだから。

ふふ、と少し微笑ましく思っていれば。






近藤「なァAちゃん」



『はい？』



近藤「トシの事…聞いてどう思った」






…………うえ？？



ど、どう？どう思った？？え、何とも思ってないんだけど？何て返せば良いの？頭からっぽなんだけど。

と、とても感動しました？とても悲しくなりました？と……とても、とても吃驚しました？？いや作文か。気の利いた事言うべきなのかなこれ。






『えぇーと…トシが瞳孔開きっぱなしになった理由が意外とシリアスでしたね？？』






ッうぁぁぁぁ無理だ気を利かせる様な事言えねェェェ！！！



普通ならトシを慰める言葉一つや二つ出すんだろうけど私には無理！！！










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