亥清悠の1番目のファンの話【アイナナ】 (ページ6)

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5話『紡さん可愛いなぁ』ページ6

そして、その時はやってきた。

ｺﾝｺﾝ
九条「2人とも。レッスンの成果を見せてもらえるかな」
『はい！』

＊＊＊

九条「そこまででいいよ」
今までで1番良いパフォーマンスが出来たかも！

悠「ﾊｯ、ﾊ…どうでしたか！！？」

悠の質問に返ってきた言葉は、残酷だった。

九条「やっぱり育て方を間違えたみたいだ。君たちは失敗作だからもういらない。」
…え？聞き間違いかと何回も頭の中でその言葉を繰り返したが、九条さんが失敗作だと、いらないと、…そう言っている…？

悠「な…、いらないって、…どういうことですか！！」
悠が怒るのも無理はないだろう。
君には才能があるだの伝説のアイドルになれるだのと、はやし立てておいて、今さら失敗作だと…？

九条「言葉の通りだよ。ファンに感謝するなと教えたけど、それじゃあゼロのような伝説のアイドルにはならないと分かった」

『…ｯ、なんて自分勝手な…！！』

九条「なんとでも言ってくれ。僕には天がいるからね」
悠「………………天？」

九条「僕の養子になった子だよ。九条天。いずれ日本の伝説のアイドルになる子だ。」
九条天は成功作…ってこと…？

九条天の踊っている映像を見た。
すごかった、私と…悠よりも。
悠「…九条天…………」

私は気付かなかった。

____悠が憎しみの表情を浮かべていることに。

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