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山が静けさを増す中、トシが足を止める音がそこに響いた


「…俺たちは、同じ夢を見てたはずだ」


千鶴ちゃんに追いつき、二人でトシの四、五歩後ろで足を止めた


「あの人の為なら、どんなことだってできるって思ってた」


トシはきっと、私たちに気付いている

彼は今、誰に話しかけているのだろう。第三者から見れば私たちに話しかけてるように見えるのかもしれない


「…なのに、どうして俺はここにいるんだ?どうして、てめえだけ助かってるんだよ?」


でも私はトシが私たちに話しかけてるとは思えなかった


「結局…結局俺は…っあの人を見捨ててきたんじゃねぇか!」



これはきっと、彼が、彼自身に向けた心の叫び



「徳川の殿様と同じで、絶対に見捨てちゃいけねえ相手を見捨てて…、てめえだけ生き残ってるんじゃねえかよ!」



強く、強く握られて震えているその拳。

握ってあげたかった、後ろから、抱きしめてあげたかった

でも今の彼には、私の思いはきっと届かない



「土方さ…っ」

「千鶴ちゃん」



トシに駆け寄ろうとする彼女の重い声とともに掴んだ。彼女はなんで?といった顔で私を見つめる



「…男の涙は、女が見るもんじゃないよ」



彼に必要なのは、一人で心を落ち着かせ、キリをつける時間。同情や、頑張れという声が欲しいわけでは決してない


「…トシ、落ち着くまでそこにいな。
あっちには私が適当に話をつけとく」



千鶴ちゃん、行こう。と声をかけると彼女は深く頷いて、私の後に続き、再び新選組の本隊へと戻っていった

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青椿(プロフ) - 全部、読ませていただきました!更新、頑張ってください!そして、ちょっとでいいので文才を分けてください…。(笑) (2017年7月8日 23時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
めいさい - この作品大好きです!うるっときました!そしてギャグがすごくおもしろいです(*≧∀≦*)頑張ってください。 (2016年12月16日 21時) (レス) id: 3c799ac5d2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - ヘムヘムさん» 更新停止気味で申し訳ない気持ちでいっぱいです…。ありがとうございます!とても励みになりました! (2016年10月10日 16時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
ヘムヘム - この作品,全部読みました!とても面白いです!惹きつけられました!!これからも,頑張ってください!ファンとして応援してます!!!! (2016年10月10日 13時) (レス) id: 678d5df645 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年7月12日 21時

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