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「くそ!量が多すぎる!」
「キリがない!一旦引くぞ!」
隣には平助と左之と新八。彼らと一緒に、私は戦っていた。しかし戦況は最悪。兵士の数、武器、何を取っても新政府軍に負けていた。
私たち新選組も、削られることしか知らなかった
もう、思いや志だけで戦いがどうにかなる時代は終わったんだ
「何でこんな…」
いくら何でもおかしすぎる。切っても切っても出てくる敵。死んだのがまた生き返ってるとしか思えなかった
死んでゆく仲間
終わりの見えない戦い
原「…羅刹がいた」
一旦敵のいないところへ身を引いた。
口を開く左之。それに慌てるように平助は反応する
藤「ばっ!Aいるだろ!」
原「良いだろ、もう隠すことなんてない」
「え?どういう事?」
いつもふざけてる三人の真剣な表情から読み取るに、嫌な予感しかしなかった。
永「見ただろ、土方さんの」
“土方さんの”と、そう言われただけだったが、何の事かすぐに分かった。
彼の、真っ赤な瞳が頭に浮かぶ
「…うん」
原「あれは、変若水ってのを飲むとあぁなっちまう」
「それが羅刹、なの?」
原「あぁ」
藤「俺たちも詳しい事はしらねぇんだけどよ、力が人間なみじゃねーくらいに出るんだ。自分がそうしたい時に」
永「だが、その分の寿命は縮み、日が昇っている間の行動が難しくなる。
血が欲しくなるらしいぜ。人間の。歯止めが利かなくなると、人を襲っちまう」
「…そう」
とりあえず、この世界でおかしな事が起きているというのは分かった。自分の命を操作する事は、ヒトに決してあってはならない
「どうしたら敵の羅刹を殺せる?」
原「心臓を貫くしか方法はねぇ」
オチミズを飲むと、ラセツになる。
そしてトシは、自分から羅刹になることを望んだのだ
彼らはいつ死んでもおかしくない。それは昔から変わらない
だからきっと羅刹になろうが、寿命が縮まろうが、苦しかろうが、何かを守り通すためなら、迷わず彼らは変若水を飲むのだろう
「…その変若水は、みんな持ってるの?」
「持ってる奴もいる」
「そう」
この戦いで、私の大好きな誰かが羅刹になるかもしれないという事だ。私としては辛い。だけど、彼らの夢を邪魔する事なんて私には出来ない
「_____いたぞ!幕府軍だ!」
「っくそ!!おいお前ら!腰抜かすなよ!」
刀を抜いた
もう私たちは引き返せない
戦うしか、方法はない
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです!最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを!本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です!読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください!楽しみにしてます! (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐タロさん» ありがとうございます!!頑張りますねっ!! (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年1月16日 11時