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「うん。というかトシもいたしそんな事ありえないよね」
「はぁあ!!騙された!くっそぉ!」
私の部屋でぎゃんぎゃん暴れ始めた平助。可愛い。彼のコロコロ変わる表情に癒される
「そんなに心配してくれたんだね、ありがとう」
にこり、と微笑んで言うと平助はどもり始める。うん、良いぞその顔。私に後ろからワッて驚かされた時の顔と、私に頭ワシャワシャされて照れてふてくされてる時の中間の顔
「平助、左之に仕返ししてやれ」
「あ!そうだな!まじで左之さん許さねえ!」
「ふふ、頑張れ」
私の部屋を出て行こうとする平助を見送る
「あ、でもお前に何もなくてよかった」
にっかーと笑った平助の笑顔にどストライクな私。じゃあな!と颯爽と走り去った平助をよそにぼーっとすることしかできなかった私。
平助天使ぐっじょぶ
__________
300人ほどの兵士を迎え、新選組は甲府城へと足を進めていった。
しかし、数の増加は質の低下。新しく入った兵士たちはこの時代に動揺しているのか、腰抜けばかりだった
あちらやこちらで喧嘩が起きる。士気が低い。志も低い。頭を悩ませた新選組の幹部たち。
そんな私たちに、またもや悲報が舞い降りる
「新政府の奴らに先越されただと!?」
その声に、動揺が隠せない
内容を聞くと、新政府軍が甲府城を降伏させたという簡単で、絶望的なものだった
その夜、私は新しく入った兵士たちの所へ行った。
幕府軍は資金もなく、幹部やお偉いさん以外は、みんな地べたで雑魚寝している。山のあちらこちらに、私たちの兵士が休んでいる印となる焚き火が灯っていた
「やぁ、今晩は」
「…っこ、今晩は」
30人ほどいるだろうか。みんなが私を見て驚いて、寝転がっていたものはそさくさと座り直す
ありゃ、私そんな偉いっけ?
「いや、そんな良いんだよ。ただ皆と話がしたくて来ただけだから」
話?何言ってんだこいつ。という空気がどよめく。もうそろそろこういった空気には慣れ始めてきた
「うん、私の名前はA。皆んなに聞きたいことがある」
ドカッと座ってあぐらをかく
「君たちは何で兵士としてここにいるんだい?」
私が兵士たちと話をしたいと思った理由。それは簡単に言えば士気を高めるため。
彼らの内にある志を引き出してあげたいと思った。こんな状況だし、誰でも自分を見失ってしまうだろう
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです!最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを!本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です!読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください!楽しみにしてます! (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐タロさん» ありがとうございます!!頑張りますねっ!! (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年1月16日 11時