弐！審神者ですが地獄の第二補佐官してます (ページ27)

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一度あったことは…… ページ27

暗いなか、私は一人で泣いていた

誰も頼れる人がいない

月明りもない

それを言い表すには、「孤独」だった

私は神様にも見放されるのだと、

消えてしまうのではないかと、そんなことばかり考えていた

けれど、私の頭の上に温もりを感じた

「だれ……？」

私は、泣いていた顔を上げた

大きく、ごつごつとした男性の手

その主が誰かはわからないのに

ひどく優しくて、満たされていって、安心してしまう

頭に添えられた手は降りていき、頬に添えられた

私は、その手をとった

その瞬間に私の体は引き上げられ、浮遊感に襲われた

そして、瞼の裏に強い光を感じ、目を覚ました

私が握っていた手は

____________________鬼灯様の手だった

鬼灯「ふぅ……やっと、戻ってきてくれましたね。」

桔梗「あの時も、鬼灯様だったんですね……！」

何故か涙が止まらなくて、安心してどんどんあふれ出てきてしまった感情を

私は抑えることができなかった

そんな私の涙を鬼灯様はぬぐってくれた

鬼灯「…………本当に忘れないものなんですね。思い出せないだけで。」

そう言った鬼灯様は少し微笑んでいたような気がした