【文スト】死神アリス【男主】 (ページ6)

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死神アリスとマフィアの首領Ⅱ ページ6

首領｢却説、本題へ入ろうか｣

机に肘を付き、口元を覆うように手を組んでAに語りかけるポートマフィアが首領＿＿森鴎外

其の姿は、先程幼女を追い回していたそれとは、比べ物にならない程威厳に満ちている

一般人なら萎縮してしまうであろう空気の中、Aは面倒くさそうに立っていた

貴方｢はいはい、今度は何ですか？喧嘩の仲裁？爆弾処理？物探し？もう重要機密の書類整理はうんざりですよ？｣

Aは、ある一人の元最下級構成員を頭に浮かべながら、その言葉を紡ぐ

首領｢残念だけど、どれも違うよ。その様な雑用は下級構成員に任せておけばいい。書類仕事は別だけどね。でも、今回君に頼みたいのは＿＿｣

貴方｢泉鏡花の補佐＿＿って所ですかね？｣

先程までの巫山戯た空気を捨て、森を見据えるA

首領｢なんだ、A君、判っているじゃあないか。話が早くて助かるよ。行ってくれるね？｣

貴方｢勿論ですよ、首領＿＿我が命にかえても｣

そんな芝居じみた台詞と共に帽子を取り、恭しく頭をさげるA

首領｢期待しているよ、A君。＿＿然し、仕事モードになると芝居くさくなる癖、どうにか｣

貴方｢なりませんね。何年貴方と居ると思っておいでですか？いい加減慣れてください｣

首領｢そうだね。あまり云わない様にするよ。泉君はロビーで待機している筈だ、行っておいで｣

森の言葉を聞いたAは、女性であれば誰もが見とれる様な笑みを浮かべた

貴方｢アリスは此度も貴方に忠誠を誓う＿＿行ってまいります｣

最早、儀式と化している台詞を吐き、Aは、失礼します、と部屋を出て行った

首領｢然し、本当にあの癖は面白いよねぇ。あんな風に芝居がかった口調で、敵組織に乗り込む度に云う台詞が“貴方のアリスです”と来た。そして、彼は強い。だから、付いた通り名が『死神アリス』。彼の炎は綺麗だからねぇ。エリスちゃんもそうおもうだろう？｣

その森の言葉に、いつの間にか森の隣に立っていたエリスは、笑顔で云った

ｴﾘｽ｢私も、Aの炎は好き。でも、芝居がかった所はリンタロウに似たんじゃない？Aの方が断然カッコイイけど｣

その言葉を聞いた森は、酷いよエリスちゃん、と半泣きで云うと、また、Aが出て行った扉を見据えた

首領｢今回も無事に帰っておいでよ。君の居場所は此処なのだから＿＿｣

その目に写すのは、信頼か愛情か＿＿
はたまた、そのどちらもなのか＿＿