【文スト】死神アリス【男主】 (ページ29)

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死神アリスと双黒Ⅳ ページ29

中原｢動きが読める程度で勝てる相手と思ったか？｣

云うと中原は、太宰の頸を掴む手に力を込めた

太宰｢…ぐっ…｣

太宰はその手を外そうとするが、力で中原に叶う筈が無かった

中原｢終いだ｣

中原は懐からナイフを取り出すと、太宰の頸に当てる

中原｢最後に教えろ。態と捕まったのは何故だ。獄舎で何を待っていた｣

その問に太宰は答えずに、ただ、中原を睨みつける

中原｢だんまりか。いいさ、拷問の娯しみが増えるだけだ｣

云いながら、中原は太宰の頸にナイフをくい込ませる

太宰｢……一番は、敦くんについてだ｣

一番は、の部分を強調させ、太宰が話始めた

中原/貴方｢｢敦？｣｣

中原とAの声が揃う
中原は唯の疑問であったが、Aの言葉には驚きが含まれていた

太宰｢君達がご執心の人虎さ。彼の為に70億の賞典を懸けた御大尽が誰なのか、知りたくてね｣

中原｢身を危険に晒してまで？泣かせる話じゃねぇか……
と云いたいが、その結果がこの態じゃあな。麒麟も老いぬれば駑馬に劣るってか？
『歴代最年少幹部』さんよ
ま、運にも見放されたしな。何せ俺が西方の小競り合いを鎮圧して半年ぶりに帰ったその日に捕縛されるんだからな。俺からしたら幸運だったぜ｣

得意気に語る中原に、太宰はジト目を向けていたが、少しして｢くくっ｣と失笑した

中原｢何がおかしい｣

太宰の反応に、中原は訝しむ
太宰は、劣勢であるにも関わらず、口元に余裕の笑みを浮かべていた

太宰｢いいことを教えよう。明日『五大幹部会』がある｣

太宰が放った言葉を聞き、中原は驚愕に目を見開いた

中原｢五大幹部会？莫迦な。あれは数年に一度、組織の超重要事項を決定する時だけ開かれる会だ。あるなら疾っくに連絡が……｣

太宰｢理由は私が先日組織上層部にある手紙を送ったからだ。で、予言するんだけど……
君は私を殺さない
どころか、懸賞金の払い主に関する情報の在処を私に教えたうえでこの部屋を出て行く。それも内股歩きのお嬢様口調でね｣

中原｢はあ!?｣

貴方｢｣

声を荒げる中原に、太宰は笑みを深めた
Aは笑いを堪えるのに必死であるが、2人は其れに気付かず、会話を続ける

太宰｢私の予言は必ず中る。知ってると思うけど｣

中原｢この……状況からか？巫山戯る…………手紙？｣

巫山戯るな、そう云おうとした中原だったが、ある事に思考が辿り着き、ハッとした