【文スト】死神アリス【男主】 (ページ20)

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死神アリスと女医と爆弾魔IV ページ20

梶井の前に立った与謝野は語り始めた

与謝野｢『死』とは何かって？教えてやるよ。死は命の喪失さ。妾達医者が凡百手を尽くしても、患者の命は指の間から零れ落ちる｣

そこで与謝野は手を握りしめる

Aは、与謝野の気迫に息を呑む

与謝野｢“死が科学の究極”だと？巫山戯るな！命を大事にしない奴は、ぶッ殺してやる｣

そこで梶井はハッとした表情になる

梶井｢お、思い出した……探偵社の専属医、与謝野。極めて稀少な『治癒能力者』だと｣

貴方｢マフィアともあろう者が、敵の情報を調べずしてどうすんだよ(ﾎﾞｿｯ)｣

少し遠い所に立っていたAの呟きは、2人には聞こえなかったようで、与謝野はそのまま話を続ける

与謝野｢私の能力『君死給勿』は凡百外傷を治癒させる。自分の怪我だってこの通り。ただ、条件が厳しっくてね｣

そう云いながら与謝野は梶井から離れ、Aの傍にあった鞄を探る

与謝野｢瀕死の重傷しか治せないのさ。これが実に不便でねェ。何しろ……｣

そう言って与謝野が鞄から出したのは、鉈

それを見て、Aは、顔を青くする

与謝野｢程々の怪我を治そうと思ったら、まず半殺しにしなくちゃならない｣

梶井｢な……｣

そして、ビビる梶井に与謝野は目線を向けた

与謝野｢……おやァ？怪我してるねェ。治してやろうか？｣

そして、Aの目の前で、梶井の解体ショーが始まった

数分後……

貴方｢あんなにぐっちゃぐちゃだったのに、こんなに綺麗になるもの何ですね……与謝野さん、俺っちも少し試してみたい事があるんだが……｣

二度目の解体に差し掛かろうとした与謝野は、Aの言葉に手を止めた

与謝野｢ん？なんだい？｣

貴方｢此奴、科学者なんですよね？だったら、ぴったりの人体実験があるんですよ………人は、どの位燃えるまで生きていられるか、って云うね｣

そう云って、Aは、愛用しているライターを取り出した

貴方｢俺っちは、火を操る異能者でね。其処に火さえ有れば、燃やすのも消すのも思いのまま。なので、ギリギリまで人を燃やすのもありかなぁ、と。与謝野さんがいる限りは、俺っちは人殺しにはなりませんし、爆弾の解除方法を吐かすには丁度良いかと。与謝野さんには見極めをお願いしたい｣

それを聞いた与謝野は、ニヤリと笑った

与謝野｢面白そうじゃないか。やってやんな｣

貴方｢ありがとうございます。では、梶井、と云ったか？覚悟しな｣

そして、暫くの間、一号車には梶井の悲鳴が響き渡った